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貴乃花親方は権力欲にまみれた人ではない

 人が人のことを判断するときに、自分がこういう人間だからこの人もそうだろうという先入観で見てしまいがちということはあるのだと思います。貴乃花親方の行動見るときに、派閥争いや立身出世に汲々としている人たちは貴乃花親方もそうなのだろうと思ってしまいがちなのだと思います。しかし貴乃花親方は一人現役の時から八百長とは無縁で、人間離れした大きさのハワイ勢がいる中で無類の強さを発揮し、史上最強なのではないかと言われています。それは並みの努力で達することのできる境地ではなく、自分に対して本当に厳しく徹底した鍛えによってしか成し得ない結果なのだと思います。まさに文字通り相撲道に不惜身命を貫いた横綱であったと言って間違いはないのだと思います。普通の人が自分と同じと思っていたら親方の真の思いを理解することはできないのだと思います。

 貴乃花親方は現役を引退し親方になってからも自分を追い込むような厳しい道を敢えて選んできました。反社会的勢力との関係から問題になったタニマチといち早く決別し、サポーター制度を立ち上げました。これはかなり厳しい選択で、なかなかサポーターを集めるのも難しく、苦労の割にはお金も集めにくい制度だったと思います。しかし、相撲協会の信頼回復のため、また、安価で相撲ファンとのつながりをつくり、相撲ファンを増やし、相撲界の裾野を広げていくために敢えて選んだ厳しい道だったのだと思います。

 2010年に二所ノ関一門を離脱したいわゆる「貴の乱」でも、一門を離脱することで協会からの支援を失うという厳しい状況に自らを追い込んでいて、それは改革への強い思いからであって、実際に利益を失っていることから自分の利益のためではないことは明らかなのだと思います。

 また、その後の野球賭博問題で、理事選で自身を支持した阿武松親方の弟子と床山、それに大嶽が野球賭博に関与して処分の対象となったこともあって退職願を提出しています。

 貴乃花親方は本当に人気実力ともに最高の力士と言ってよく、相撲界の将来や相撲人気を支えるファンの人々を大切に思い、自らが厳しい状況に追い込まれることになっても信念を曲げない真の横綱なのだと思います。それは現役を引退してもまったく変わらないように思います。

 伝統を守ることを大義名分とし、既得権益を守り、権力争いや保身に汲々としているのはむしろ相撲協会であって、これだけ大きな社会的な問題を次々と起こしているにもかかわらず、隠蔽体質や一般常識とかけ離れた発言は以前と何一つ変わっていないように思います。そして、相撲界の信頼回復やファンのための改革を主張する人々の言動を抑えつけ、「権力欲にまみれた人間」というレッテルを貼るのが、協会の常套手段と言っていいのだと思います。

 今回一門を離脱した錣山親方も、「権力争いのための離脱」というレッテルを貼られることが分かっていたため、敢えて貴乃花一門には入らないという選択をしたのだと思います。

 錣山親方も、最軽量に近い力士でありながら連続出場記録まであと一歩というところまでに至った努力の人なのだと思います。当然誰よりも努力し、自分に厳しくなければあの時代にあの小さな体でそこまで戦えるはずがありません。

 最近では会場の開門時に先頭に立ってもぎりの仕事もしていました。観戦にきたお客さんは本当に喜んでいましたし、錣山親方も協会のため、ファンが喜んでくれるならなんでもしたいという人なのだと思います。錣山親方が権力争いのために行動する人と思える人は、相当人間が曲がっているとしか思えません。「協会のルールの中で、協会がよくなるために自由に発言できる立場になりたい」という発言に嘘偽りはないのだと思います。

 そして、その発言からもわかるように相撲協会自体が改革を拒み、改革のための発言を抑え込む力が強く働いていることは容易に想像できるのだと思います。

 隠蔽体質の協会を懸念し、警察に被害届けを出した貴乃花親方を処分するようなことがあれば、同じような事件はまた必ず起きます。そして今度は公にならず何もなかったことにするおそれも十分にあります。そうなれば危機管理委員会や横審の責任も追求せざるを得ないのではないでしょうか。

 貴乃花親方を処分するのではなく、今回の事件を契機に協会自体の隠蔽体質を変えていく機会にする必要があると考えているのは私一人ではないと確信しています。

白鵬関の立合いは品格以前の問題

 白鵬関の立合いが美しくないということが横審から指摘されましたが、これは品格以前の問題で、勝負の上で公平ではないのではないかと思います。

 下位の力士は横綱に対する敬意という点からも顔を張ったりかち上げをするということはほぼありません。相手がしない技は横綱もしないということは対等の条件で戦うためには必要なのではないかと思います。

 実は白鵬は相手力士が頭で思い切りあたってきた場合にはそのまま押し出されるということが横綱になった当初から時々あって、張られたりかち上げが来ると思えば、相手力士は思い切って頭からぶつかっていくことはできなくなるのだと思います。

 相手力士がしない技を使って自分の弱点をカバーするということでは品格以前に抜群の力量があるとは言えないのだと思います。勝負に公平を期するためには相手の力士がやらない技は横綱もやらないというのは、横綱を張る上で最低限必要なことなのではないでしょうか。白鵬関には横審やファン、メディアから一切文句が出ないような横綱相撲を初場所で見せていただきたいと期待しています。

 この問題でもう一つ聞き捨てならないことがありました。もしも下位の力士が横綱の顔を張ったりすれば、巡業で相当なかわいがりをされるので、まず横綱に対してそのような立合いはしないという発言を元の力士がしているのを知りました。

 朝青龍が高見盛に敗れたときに出稽古で高見盛にかわいがりをして病院送りにしたということがありましたが、これは横綱相撲以前の問題なのではないかと思います。

 朝青龍は同じ相手に連敗しないと言われていましたが、こんなからくりがあったとは知りませんでした。横綱に勝ったら病院送りにされるということになると次の場所で本気で戦うことはできないのだと思います。こういったことで無気力相撲になるのであれば、これは正す必要があるのではないでしょうか。

 場所で敗れた力士と出稽古や巡業で稽古をするなとは言いませんが、稽古が行き過ぎた場合には、無気力相撲や大きな怪我を防ぐために、横審や協会が厳重注意をするということは必要なのだと思います。

 モンゴル力士に対して腫れ物に触るような態度では、また角界を揺るがすような事件が発生するおそれは否定できないのだと思います。

 こういうことに関しても、モンゴル力士に対してしっかりと指導ができる理事長が必要なのではないでしょうか。それが誰なのかは考えるまでもないように思います。

処分が必要なのは貴乃花親方ではなく協会と危機管理委員会

 昨日日馬富士による障害事件の関係者の処分が決まり、貴乃花親方が後に処分されるということが決まりました。しかし、貴乃花親方が処分されるのは全くおかしくて、むしろ処分が必要なのは協会と危機管理委員会なのだと思います。

 協会に対して報告をしなかったのが処分の理由となっていますが、なぜ事件や不祥事が発生した場合に協会に報告する必要があるのかといえば、不祥事を起こした力士をかばい、その場にいた関係者が隠蔽することを防ぐためであって、貴乃花親方は隠蔽するどころか、警察に届け出ることで第三者による捜査を通じて真相を明らかにしようとしました。事件を公にすることで巡業部長の責任は全うしていると言っていいのだと思います。

 貴乃花親方は貴ノ岩関から事件の全貌を聞いたときに、野球賭博や八百長事件に匹敵するほど深刻な内容であることから、協会にのみ報告をすれば日馬富士はお咎めなしで貴ノ岩関が礼儀がなっていなかったというストーリーが作られることを事前に予想したために協会ではなく警察へ届出をしたのだと思います。

 その予想通りメディアを巻き込みながら事件の本質が貴乃花親方の権力闘争という話に掏り替り、貴ノ岩関に殴られるだけの礼儀を失した行動があったというキャンペーンが展開されていきました。

 貴乃花親方は何よりも弟子を守るために、そして自分自身を守るためには協会ではなく警察に届け出るというぎりぎりの選択をせざるを得なかったというのが真相なのだと思います。

 結果、貴ノ岩関は守られ、初場所が全休になっても十両に残るという特別な措置を勝ち取ることができました。

 協会にしても危機管理委員会にしても加害者の主張を一方的に採用し、被害者の主張は全て嘘であるという態度でこの問題にけりをつけようとしていたことから、処罰が必要なのは、協会と危機管理委員会なのだと思います。

 八角理事長は残り任期の3ヶ月の給料を全額受け取らないことで責任を取ったと言えますが、本来このような事件が起きないための予防的措置を講ずるべき危機管理委員会に全く責任がないというのはありえないのだと思います。

 なにより事の発端となったモンゴル会はそのままということは絶対にあってはなりませんし、このことに触れられないのであれば危機管理委員会が存在する意味はないのだと思います。
 
 日本相撲協会を所管する文科省やスポーツ庁はこのことを重く受け止めて、日本相撲協会に批判的な第三者のみを構成員とする危機管理委員会を設置しなおす必要があるように思います。

 また協会人事に関しては、八百長に全く関与していなかったのは貴乃花と稀勢の里だけだったという元力士の証言を聞いたことがあります。本当の意味でこのような不祥事を二度と起こさないよう協会を改革していくためには、現役を退いてからも理想の相撲道に不惜身命を貫いてきた貴乃花親方を理事長にする以外にないのではないかと私は思います。

 相撲は世界に誇る日本の国技です。どこから見ても恥ずかしいことがないように国も積極的に協力しながら相撲協会の改革に取り組んでいただきたいと思っています。

モンゴル会の今後について

 この問題を語る上で絶対に外してはならない存在があるのだと思います。それは「モンゴル会」という組織なのだと思います。

 貴乃花親方はモンゴル会が八百長の温床になることをおそれ、危機感を口にしていたとされています。2011年の八百長問題を受けて、様々な措置が講じられ八百長はなくなったと思われていますが、本当にそうなのでしょうか。もし本当に八百長が絶対に行われないとするならば、本割での同部屋対決も行われても構わないということになるのだと思います。しかし、絶対にそれは許されません。状況によっては今でも八百長が行われるおそれは十分にあるということなのだと思います。

 モンゴル会は、ある意味では部屋の力士同士よりも結びつきは強く、金銭のやりとりはなくても、自分が負け越しが決まり、相手のモンゴル力士が7勝7敗だった場合に力を入れられなくなるという状況は十分に考えられるのだと思います。

 日本で全く違う文化の中でさみしい思いがあるということもあるのかもしれませんが、例えば日本人がメジャーに挑戦しにいった場合にさみしいから他の球団の選手と頻繁に食事に行くなどということはおそらくないように思います。来年からメジャーでのプレイが期待される大谷翔平選手は、迷惑がかからないように敢えて日本人がいない球団を選んだと言っています。また、サッカーの三浦知良選手は高校1年の時に単身ブラジルに渡りましたが、そのときはブラジルのサッカー界に日本人は一人もいませんでした。今ブンデスリーガには数多くの日本人選手がいますが、ドイツで全員が集まって飲み会をするなどということもおそらくないと思います。

 日本ではさみしいから皆で慰めあうなどということは、ちょっと恥ずかしいですし、チンギスハーンの子孫たちは弱い人間が多いという評判になってしまうおそれもあると思います。

 2011年の八百長問題以降は、その温床になるおそれがあるモンゴル会の存在は問題にするべきだったのだと思います。特に2012年に発足した危機管理委員会は問題が生じた時の対処と共に予防の役割も期待されていたことから、モンゴル会については、解散、少なくともその会合は年末年始に1~2回にするといった命令をしておくべきだったのだと思います。そうしていれば、今回の事件は未然に防ぐことができたということも十分に考えられるのだと思います。

 その意味ではモンゴル会の存在を野放しにしていた危機管理員会の責任は極めて重く、少なくとも責任者の交代は避けられないのではないでしょうか。

 モンゴル会については、今回の事件を受けてそのまま存続させることはできないのだと思います。相撲協会、危機管理委員会、モンゴル力士でしっかりと話し合って、どのようにすれば一番いいのか考えていく必要があるように思います。

貴ノ岩関に対する処分は人権蹂躙行為

 貴ノ岩に被害者意識がないということで貴乃花親方を非難する人がいますが、被害者意識が少ないのは当然と言えるのだと思います。

 力士は親方や上位力士にしごかれシバかれるのが仕事といってよくて、それに対していちいち被害者意識や恨みを抱くようでは一流の力士には到底なれないのだと思います。貴ノ岩はこれからさらに上位を狙える力士で、殴られたくらいで被害者意識を持つのは難しいと言えるのだと思います。しかも日馬富士に対しては白鵬よりも近くに感じ、親しくしていたこともあって、日馬富士が引退に追い込まれたことに関しては申し訳なく思うということも当然ありますし、そうでなければ人間として問題があると言えるのだと思います。

 しかし、今回の問題はそういうことで許していい問題ではありません。将来の新弟子や力士のためには白黒をはっきり付ける必要があるのだと思います。

 今回貴乃花親方が貴ノ岩の診断書の提出を拒んだことで貴ノ岩が処分されるという話がありますが、被害者を処分するなど前代未聞なのだと思います。百歩譲って処分が必要であるとしても、診断書を提出しないという判断は貴乃花親方によるもので、親方の意向を無視して貴ノ岩自身が診断書を提出できる状況にないことは誰の目にも明らかなのだと思います。処分されるとすればそれは貴乃花親方なのだと思います。

 しかし、貴乃花親方の判断も当然と言えて、前回診断書を提出した際には、頭蓋底骨折と髄液漏れの疑いが指摘されていたにもかかわらず、その後医師は問題がないと診断を翻しています。こういうことをされては診断書を提出することはできません。

 これは、画像診断の話であって実際に骨折があるのかどうかはわかりませんが、日馬富士による暴行を必死に隠そうとしても隠せないくらいふらつく状況が数日続いていて、骨折がなかったとしても脳、または平衡感覚を司る神経、耳が痛くて眠れなかったという証言から三半規管の損傷等何らかの原因が示されなければ、数日にわたってフラフラするという症状を説明することはできないのだと思います。

 相撲取りといえども脳の大きさは普通の人と変わらず、元横綱の曙が、格闘技で自分の半分以下の体重の選手に殴られたり蹴られたりすることでダウンを喫していたことは誰もが知ることころだと思います。立った状態で正対して殴られた場合には力を逃がせるのだと思いますが、横綱が馬乗りになって数十発も殴ればその力を逃がすことはできず、脳に支障をきたしてもなんら不思議はありません。格闘技ならば数発でレフェリーストップがかかるほど非常に危険な行為なのだと思います。その結果実際に数日にわたってまともに歩くこともできませんでした。医師はその原因を示す必要があって、骨折の疑いを否定する根拠と代わりの原因を示す必要があるのだと思います。

 普通は医師は少しでも症状が悪化するおそれがある場合にはドクターストップをかけるのですが、被害者が調子が悪いと言っているのに、大丈夫だから相撲を取れというのはちょっと非常識にもほどがあるように思います。

 相撲は頭と頭を強くぶつける競技で、その衝撃はトラックに衝突されるのに等しいとも言われています。脳に何らかの損傷があって隠そうと思っても隠しきれない症状が出ているのに、数日で何もせずにその症状が完治するということは普通は考えにくいのだと思います。その状況で相撲を取ればかなりリスクがあるということは、一般の人でも考えることだと思います。

 また、完治していたとしてもそのこと自体がトラウマになって相撲が取れなくなるということも十分に考えられます。そのような被害を受けながらその被害者を非難し、処分を下すという協会の判断はどういう神経なのか私には全くわかりません。これは著しい人権蹂躙行為として問題にするべきだと思います。

 頭蓋底骨折の疑いがあるとしながら問題がないとした医師は、数日に渡ってふらついていたという症状をどう説明するのでしょうか。また相撲を取ることで症状が悪化した場合の責任は取れるのでしょうか。この医師の医師としての資質を疑わざるを得ないと同時に、相撲協会から何かを頼まれたり金銭のやりとりがあったとの疑いも否定できません。

 この件について、診断した医師に対する調査も必要なのではないかと思っています。 

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