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貴景勝関が休場を決断

 貴景勝関が休場を決断したのは本当に立派な判断だったと思います。貴景勝関のように小さな力士が、怪我を抱えたまま横綱に挑戦するのはやはり不可能に近くて、相撲はそれほど甘くはないということは本人が一番わかっているのだと思います。大関から陥落だけではなく、たとえ十両になったとしても、そこから這い上がる強い精神力がなければ、横綱の地位を勝ち取ることは難しいのだと思います。

 ここでもう一つ問題なのは、休場中は筋力が衰える上に体重が増えてしまうということです。筋力が落ちて体重が増えれば、当然体のキレもなくなりますし、さらなる怪我のリスクが高まるおそれがあるのだと思います。

 食事も他の弟子たちとは別にして、しっかりと三食をとって、高タンパク低カロリーの食事を心がけたうえで、筋力が落ちないようなトレーニングが必要で、できれば専門家の指導を仰ぐべきなのだと思います。
 
 相撲は怪我がつきもののスポーツですが、貴景勝関のように高収入の関取ならば個人で専門家に管理を任せることができますが、収入の少ない部屋や力士の場合には怪我に怪我を重ねるということはよくあることなのだと思います。やはり協会が、休場の判断も含めて、スポーツ専門の医師やトレーナー、栄養士を用意する責任を持つべきなのだと思います。激しいスポーツの選手でも、食事を変えることで怪我が激減したということを聞きます。力士の場合にはやはり糖質の摂り過ぎで、骨や筋肉、関節を硬くて脆くするAGEsが増えやすいのだと思います。ある程度の体ができたら糖質の摂取を控え、AGEsを減少させる抗酸化作用の高いものを積極的に摂取する必要があるのだと思います。

 力士のためにもファンのためにも、協会が力士の健康管理に大きく関与すべき時が来ているのだと思います。それは、協会にとっても大きなプラスになることだと私は確信しています。

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稀勢の里関の休場について

 稀勢の里関の休場が決まって、本来ならば現役赤信号というところなのだと思いますが、現在唯一の日本人横綱ということなので引退勧告というのは協会としても横審としても出しにくいのだと思います。そこは考える必要がないと思うので、しっかりと休んで万全の状態で帰ってきてもらいたいと思います。
 
 そもそも、横綱として初めて出場した場所で怪我をしながら二場所連続で優勝したのは素晴らしかったと思うのですが、次の場所にも強行出場したのはやはり判断ミスであったと言わざるを得ないのだと思います。無理をすればこのまま弱い横綱になってしまい、引退ということもありうると思っていたのですが、残念ながら私の予感は当たりつつあると言わざるを得ないのだと思います。

 強行出場に加えて一月場所から9キロも増量してしまったのは、やはりかなり問題だったのだと思います。怪我をすれば当然稽古量が減少することは避けられないのに普段と同じ量の食事をとれば、必ず増量するのは誰でもわかることで、稽古不足で体が重ければ動きが悪くなる上にさらなるケガのリスクも増えるのだと思います。

 結局見切りで出場した5月場所では途中休場を余儀なくされて、ここで無理をしたのが今の状況につながっていると言わざるを得ないのだと思います。横綱になれば降格はなく引退しかないということを考えると、怪我をした場合には本人や親方の意向だけではなく、協会の幹部も出場が可能かどうかの判断もつくはずで、場所前の稽古量、医師の診断を参考にしながら協会として判断することも必要なのではないかと思います。

 その後7月場所も出場するのですが6日目には休場して、しかも連続優勝時に痛めた腕や胸ではなく足の靭帯損傷で休場しています。稽古不足の上に体重の増量が重なって足まで怪我をしたということでは、管理者である親方の責任、こういうことが容易に想定できたにもかかわらず何も助言しなかった協会にも責任の一端があるのではないかと思います。

 そして9月場所を全休し、11月場所でも10日目から休場するのですが、どう見ても初日から足腰に力が入っておらず、案の定足の怪我に加えて腰も痛めたとの診断がなされました。これは場所中ではなく場所前に負った怪我なのではないかと私は考えています。

 結局体調が万全ではないのに無理をし続けて、横綱としての務めが果たせないないことが分かっていながら強行出場し続けたのは、本人の責任というよりも親方に大きな責任があるとしか言いようがないのだと思います。また、怪我をした際の体重管理という概念自体が相撲協会全体に欠けていて、伝統的な1日2食ではなく、血糖値が急激に上がるのを避けて食事を数回に分けて野菜やたんぱく質を中心にして、糖質の摂取を大幅に減少させる必要があるのだと思います。稽古量が減っている上に同じ量の食事をし続ければ血糖値が一気に上がった状態が続き、体内のコラーゲンの糖化が進んで、そのこと自体がさらなる怪我の大きな要因になるのだと思います。怪我をした際の栄養管理は絶対に必要で、協会として常時怪我人に対応できるよう、専門の管理栄養士を用意することを強く勧めたいと思います。

 日本人横綱として一場所でも長く現役が続けられるように、しっかりと治療に励み減量に努めながら万全の状態になって、横綱らしい取り組みが見られることを心から望んでいます。

貴乃花親方にとっての今回の理事選の意義

 貴乃花親方が理事選に出馬して敗れましたが、これはこれでよかったのだと思います。

 まず、阿武松親方が貴乃花一門から出馬し理事になったのは、貴乃花親方が理事になっても評議委員会で承認されないおそれが十分にあったからなのだと思います。日馬富士の傷害事件での対応を批判した評議委員会が、振り上げた拳を下ろすことができずに貴乃花親方の理事就任を認めないといったことは十分に考えられたのだと思います。

 2010年の「貴の乱」以来、貴乃花親方は権力闘争のために行動しているという報道をずっとされてきましたが、現役の時も一切八百長に関わったことはなく曲がったことが許せずに正々堂々を貫いてきて、苦境に立たされても正しい相撲道を貫いてきた本物の横綱だったのだと思います。そして引退後もその相撲道は一切変わることなく、時代に適応した多くの人に愛される相撲協会に生まれ変わってほしいという一心で行動してきたのだと私は確信しています。

 もしも権力争いにこだわるのであれば、武松親方ではなく自分ひとりが出馬すれば確実に理事になれたと思いますし、二人出馬するということになれば、根回しをして票の切り崩しを図っていたと思うのですが、そういうこともしませんでした。

 結果として貴乃花親方に権力争いの意図は全くなく、自分の理想の相撲道、ファンのための相撲協会を実現するために動いてきたということが証明できたのではないかと思います。

 今回このような結果になりましたが、不祥事続きで旧態依然の相撲協会を改革できるのは、改革への強い意志、現役時代の圧倒的な実績から言って貴乃花親方だけであると私は確信しています。貴乃花親方と理想を共にする親方が少しずつ増えていくことを心から願っています。

天覧相撲取りやめに関して

 日馬富士の傷害事件と、さらには立行司の第40代式守伊之助によるセクハラ行為が判明し、天覧相撲が取りやめになりました。

 第40代式守伊之助に関しては、セクハラ行為以前にも3場所連続4度の軍配差し違えを始め、多くの問題が以前から指摘されていて、酒ぐせが非常に悪いという評判もあったことから、今回の問題が発覚する前に解雇、少なくとも立行司職務続行の条件として断酒を課すということもあってしかるべきだったのだと思います。

 この件についても相撲協会のガバナンスに問題があったと言わざるを得ないのだと思います。特に危機管理委員長の高野利雄氏は一体何をしていたのかその責任が問われるべきなのだと思います。

 日馬富士の傷害事件に関しても「モンゴル会」を放置していた責任は重いのだと思います。もともと危機管理委員会は野球賭博と八百長事件を受けて設置されたもので、これらの問題の再発防止が最も大きな役割で、モンゴル力士同士の無気力相撲が問題になった時に危機管理委員長として何らかのアクションを取る責任が高野氏にはあったのではないかと思います。

 確かにモンゴルは資源が豊富で地政学的に日本の安全保障にとって重要な国であるということはあるのですが、「モンゴル会」という名前を出さずとも、場所前1ヶ月の間は、出稽古以外で他の部屋の力士同士の飲食を禁止するといった措置を講じてもよかったのではないかと思います。そのような措置を取っていれば日馬富士の傷害事件は防ぐことができていたのだと思います。

 今回の傷害事件を受けても「モンゴル会」に対して何もないということはありえないのだと思います。評議委員会、横綱審議委員会、危機管理委員長という外部から相撲協会を監視する組織が全く機能していないのは明確で、責任者の交代、メンバーの入れ替えをしなければ、角界の不祥事を根絶することは不可能なのではないかと思います。

 天覧相撲に関しては天皇皇后両陛下も楽しみにされていたのではないかと言われています。譲位後は二重権威という全く時代錯誤的な馬鹿げた主張から、両陛下が直接相撲をご観覧になる機会もなくなるのではないかと予想されます。このような機会を両陛下から奪った責任を痛感していただきたいと思っています。


 

日本相撲協会のガバナンスに問題があることが明らかに

 貴乃花親方に対して理事からの降格というかなり厳しい処分が下されることに多くの批判が集まっています。

 その場にいて暴力行為を容認し、親方にも報告せず隠蔽しようとした白鵬よりも、被害者の親方で、第三者の目で事件を解明しようとした貴乃花親方に対してはるかに厳しい処分を課すということに関して、批判的な人の方が多いのは当然と言えるのではないでしょうか。

 協会は、二度と暴力事件を起こさないよう努めるべきなのに事件を明らかにしようとする者に厳罰を課して、事件をうやむやにしようした者に甘いということで、ガバナンスに問題があることが明らかになったのだと思います。事件の真相を明らかにし、どうしてこのような問題が起きたのかその原因を探り再発防止に努めようとする意思を全く感じることができません。

 協会としては保身に走るのは仕方がないとも言えるのだと思いますが、むしろそのような保身を諌め、被害者の側に立ち、原因究明、再発防止を促すべき立場にある横綱審議委員会、評議委員会、危機管理委員長が、被害者ではなく100%協会側に立ってむしろ貴乃花親方に厳罰を課すように煽っている姿は、異様な光景にしか見えません。

 むしろ協会もそれらの組織の顔を立てるために貴乃花親方に対する厳しい処分を課さざるを得なかったようにも思えます。

 この問題は単なる暴力問題であるというだけではなく、「モンゴル会」の存在を無視するわけにはいかないのだと思います。結成当初は本当に暖かい組織だったのに今は怖い組織になったという話もあり、暴行現場での証言を聞いても和やかな組織とは言い難いように思います。上位力士に逆らえない雰囲気は無気力相撲の温床になることは否定できないのではないでしょうか。

 「モンゴル会」を解散すべきとまでは言いませんが、頻繁に、特に場所前に会合を開くのは、李下に冠を正さずという意味でも控えたほうがいいように思います。年に1~2回会合を開き、貴乃花親方が主張しているように普段は出稽古に行って同じ土俵で稽古をし、それぞれの親方とともにちゃんこを一緒に食べるということでいいのではないかと思います。

 横審からも評議委員会からも危機管理委員会からも「モンゴル会」に言及がないのも全く解せません。日本相撲協会を外部から監視する機能を全く果たせていないのではないかと思います。

 これらの組織が機能しないのであれば所管する文科省やスポーツ庁が何らかのアクションを取る必要があるように思うのですがどうでしょうか。

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