2018/07/29
死刑廃止について
先日、オウム元幹部らの死刑執行を受け、EUが死刑廃止を訴える共同声明を発表しました。国際社会における日本の立場を考えると、このことに関して何もしないというわけにはいかないように思います。ただ、複数の殺人を犯した未成年者は、明らかに死刑にならない年齢での犯行に及んでいて、そのような発言もしていたように思います。未成年者であっても凶悪犯罪であれば成年者と同等の裁判にかけられると示唆されると、未成年者による凶悪犯罪はかなり減少したように思います。そう考えると、死刑制度は、被害者遺族の感情に寄り添うというだけではなく、少なくとも未成年者の凶悪犯罪を未然に防ぐ抑止力があると言わざるを得なくて、日本の社会になくてはならない制度とも言えるのだと思います。
また、国民の多くは死刑存続を支持していて、死刑を廃止することは現状ではかなり困難であると言わざるを得ません。そうであるならば、死刑廃止が存続かという二択ではなく、現行の刑罰に終身刑を加えるという選択肢を加えてもいいのではないでしょうか。
終身刑という選択肢が加わることで死刑判決が下される事例も減少するでしょうし、終身刑の判例が積み上げられていけば、それと同等の事件で死刑が確定した死刑囚の刑の執行を止めることも考えられるようになると思います。また逆に、それまで死刑にはできずに無期懲役にしかできなかった事例も、終身刑にすることでご遺族のお気持ちに寄り添うことにもつながるのではないかと思います。
終身刑を導入し、終身刑でも死刑と同等の犯罪抑止の効果が認められれば、死刑廃止に賛同する人の増加も見込めるかもしれません。また、死刑廃止までいかなくとも、死刑判決や死刑執行が激減すれば、死刑廃止が大勢の国際社会において、日本は準死刑廃止国であると主張することもできるようになるかもしれません。
死刑廃止か存続かという二択ではなく、その段階的措置として、終身刑の導入も議論に加えていくべきだと思うのですがどうでしょうか。