2018/02/06
トランプ大統領の言動が命取りになるおそれ
トランプ大統領に関しては、かなり癖のある人物だとは思っていましたが、極端な格差に苦しむアメリカにとってはクリントン氏よりもむしろ適任なのではないかと思っていました。選挙中はかなり極端な発言をしていましたが、支持率の動向や三権分立の中で出来ることとできないことがはっきりしてきて、極端な発言は影をひそめ、出来ることから始めることでかなりの成果が上がるものだとばかり思っていました。
しかし、その言動は選挙中と全く変わらず、自分の発言がどのような影響を呼ぼすのかを考えることなく、エルサレムをイスラエルの首都と認定したり、ハイチや中米、アフリカ諸国を shitholeと蔑んだり、やはり世界のリーダーでもあるアメリカの大統領としては適任とは言い難いのだと思います。
自分の発言がどのような恐ろしい結果を招くかわからないというのは致命的で、これはアメリカ一国にとどまらず、世界に更なる恐怖を生み出すおそれは否定できません。また極端な差別発言は、発言された当事国や民族のみならず差別を許さない人々の強い怒りや憎悪を掻き立て、いずれはその強烈な感情が形をなしていくことは間違いないのだと思います。
アメリカは今かつてないほどの好景気に沸いているにもかかわらず、トランプ大統領の支持率は37%と言われています。今は与党である共和党の支持者の支持率が7割ほどあるために共和党からの批判はありませんが、この高い支持率が共和党議員にとってのアキレス腱になるおそれがあるのだと思います。
中間選挙で候補者となり、本選で共和党支持者の票を得るためにはトランプ大統領の悪口は言えません。しかし、民主党候補との戦いではそれが不利に働くことは十分に考えられるのだと思います。
下院選挙では共和党に有利に線引きがされているために与野党逆転は難しいと言われていますが、今回の株価暴落がアメリカ経済の不調の引き金になるおそれもあって、もしも民主党が過半数の議席を獲得した場合には、トランプ大統領に対する弾劾裁判が始まる可能性はかなり高いのではないかと思います。
弾劾裁判で有罪にするためには上院で3分の2以上の賛成が必要なため、有罪になる確率はかなり低いのだと思いますが、共和党支持者の支持率いかんによっては有罪から辞任、もしくは判決が出る前に辞任ということもありえるのではないかと思います。
トランプ大統領は、自らの政治生命の維持のためにも言動を変えるべきなのだと思います。特にアメリカ人の多くから反感を買う差別発言をやめれば、支持率が向上していく可能性はかなりあるのではないかと思います。
自身のため、アメリカ国民のため、国際社会の安定のためにも是非とも言動を改めていただきたいと思っています。