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青い衣装の選手が優勝するというジンクス

 女子フィギュアスケートで青い衣装の選手が優勝するというジンクスがありますが、平昌ではザギトワ選手もメドベージェワ選手も赤い衣装を着て金メダルと銀メダルに輝きました。しかし、青がいいというのはただのジンクスではなくスポーツ科学的に見ても理にかなっているのだと思います。

 青は集中力を増す色と言われていて、そのことから陸上のトラックが青色に染色されてる場合が増えているように思います。ウサイン・ボルト選手が世界記録を達成したトラックの色は全て青色で、理論的も実証的にもほぼ確立された理論と言っていいのだと思います。

 個人差はあるのかもしれませんが、暖色系の色を見るよりも青のような寒色系の色を見るほうが興奮状態を抑える効果は高く、緊張状態の中では、落ち着かせる色を見ながらのパフォーマンスのほうが、より完成度が高くなるのは間違いないように思います。

 アスリートは、緊張状態のβ波とリラックス状態のα波が等しく出ている時が最も集中力を発揮できると言われています。その意味では衣装を青色にすることで興奮状態を抑え、α波とβ波を均衡させることでパフォーマンスが上がるということは十分に考えられることなのだと思います。

 今回はオリンピックということでリンクのフェンスにスポンサーのロゴはありませんが、その他の大会ではスポンサーのロゴでびっしりと埋められています。選手はジャンプの際に企業のロゴを目印にしてジャンプをしていると聞いたことがあります。その企業のロゴの色が暖色系であるか寒色系であるかで選手のパフォーマンスに大きな影響があるのは間違いないように思います。

 今回の平昌のフェンスは紫色で、女子フィギュアは空前絶後と言えるほどの高いレベルの争いが繰り広げられました。それに比べて荒川静香選手が金メダルを獲得したトリノのフェンスの色はオレンジで、多くの選手が転倒する中で青色の衣装を身につけた荒川選手が完璧な演技を見せて見事に1位を獲得することができました。ここでも色が選手のパフォーマンスに影響するという傾向が見てとれるのだと思います。

 最近のフィギュアスケートの世界大会のリンクのフェンスには赤い色の企業のロゴが増えているように思います。大会のレベルを上げるという意味でも、選手のケガを防ぐという意味でも、選手本位の環境づくりを進めていくことはとても重要で、スポンサー企業のロゴの色の制限をするべきだと私は考えています。
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ネイサン・チェン選手の戦略勝ち

 宇野昌磨選手が286・01点でネイサン・チェン選手の286・51点にわずかに届かず2位に終わりました。厳しい言い方になるかもしれませんが、宇野選手も羽生選手もチェン選手の戦術に見事にハマっているとしか言いようがありません。

 チェン選手のパーソナルベストが307.46点に対して宇野選手は319.84点、羽生選手は330.43点と、チェン選手は羽生選手にも宇野選手にもはるかに及ばない選手なのに、高難度のジャンプの戦いに持ち込むことで二人のペースを乱し、非常に低いレベルの戦いにすることでグランプリファイナル優勝を成し遂げたのだと思います。

 フィギュアスケートは、ジャンプは重要な要素ではありますが、他の要素も合わせて芸術性を競う総合競技であって、難度の高いジャンプができれば優勝できるという競技ではありません。

 トリノでは荒川静香選手が難度の高いジャンプを直前で変えて金メダルを獲得していますし、バンクーバーではプルシェンコ選手を4回転をひとつも跳ばずにライサチェク選手が逆転優勝しています。女子ではトリプルアクセルを3回成功させた浅田選手ではなく、アクセルを跳ばないキムヨナ選手が圧倒的な点差で金メダルを取りました。

 フィギュアスケートが総合芸術競技である以上ジャンプだけにこだわる必要はなく、ジャンプの難度を下げても恥ずかしいことは全くないのだと思います。むしろチェン選手に煽られてジャンプ対決に持ち込まれ、大会のレベルを下げたり、ジャンプの練習で怪我をする方がよっぽど恥ずかしいことなのだと思います。

 確かにジャンプはフィギュアスケートの華と言ってよく、高難度のジャンプをいくつも入れて優勝できれば格好いいでしょうし気持ちもいいかもしれませんが、地味でも反復練習を重ね、演技を完璧に仕上げ、それでも本番では成功するかどうかわからないというプレッシャーに打ち勝った選手だけに勝利の女神は微笑むのだと思います。

 ソチでは男子フィギュアは上位選手が全員失敗し、羽生選手の金メダルも「勝者なき金メダル」と言われました。今回は、高難度のジャンプにこだわるのではなく、完璧な演技にこだわって金メダルを目指していただきたいと思います。

 オリンピックのリンクは練習でできないことが本番でできるほど甘い場所ではありません。羽生選手も宇野選手も、現実的にもっとも高い点が取れる可能性がある演技を完璧に仕上げてオリンピックを迎えてもらいたいと思っています。

浅田真央選手が3位になって世代交代?

 浅田真央選手がNHK杯で3位になり、世代交代かと言われていますが、全くそんなことはないのだと思います。

 今回はショート、フリーともに、誰も挑戦すらしたことがプログラムに挑んだことで3位という結果に終わりましたが、ジャパンオープンと前回の中国大会のショートではほぼ成功しています。

 最高難度のプログラムを二日連続で決めることが難しいだけで、両方を完璧にこなすポテンシャルは十分にあるのだと思います。

 しかしながら、今の段階では、この超難度のプログラムを二つ揃えることはまず不可能なので、コンビネーションのトリプルループをトゥーループにするだけで、難度が一気に下がり、完全に演じきる可能性は一気に高まるのだと思います。

 1年間のブランクがあってここまで来れた事が奇跡なので、平昌までの時間を考えれば、キムヨナ選手の世界最高記録を超えることは十分に可能なのだと思います。

 そうなった時には、誰ひとりとして浅田選手に勝てる人はいなくなるでしょうし、そのようなポテンシャルがあるのは浅田選手だけなのだと思います。

 次のグランプリファイナルまでに、どこまで調子を戻せるかはわかりませんが、世界選手権までには、圧倒的な浅田選手が見られることを期待しています。

浅田真央選手復活V



 浅田選手が、復活Vを遂げることができて、本当にすばらしいと思います。しかしながら、内容は完全復活とは程遠く、ジャパンオープンの方が出来ははるかによかったのだと思います。

 ただ、オリンピックまでには十分に時間もあり、修正するのに不安はまずないといっていいと思います。また、勝ったり負けたりといった姿が、浅田選手の大きな魅力とも言えるので、初戦としてはまずまずといったところとも言えるのではないでしょうか。

 しかし問題は、ジャパンオープンよりもレベルがかなり下がっているということで、その原因が持病の腰痛である可能性が高いのではないかと私は見ています。

 フィギュアスケートは、利き足を中心とした動きがほとんどといってよく、利き足で跳んで利き足で降りる動作が繰り返され、特に練習ではジャンプの練習が中心となってしまうので、骨盤の右側が上がって歪むことで、腰痛を起こす可能性が高いのだと思います。

 浅田選手は、右足ばかりを使うことで体が歪むので、左足を中心にウエイトトレーニングをして、体のバランスをとるようにしていると聞いていますが、難しいジャンプの練習時間が増えれば増えるほど、腰痛のリスクは増大せざるを得ないのだと思います。

 これは、年齢や体の強さには関係なく、練習の虫と言われる浅田選手の宿命とも言えるのだと思います。

 かつて、スピードスケートの金メダリストの清水宏保氏が、コーチと別れて、独自に自分の限界を超える練習をすることで故障したということがありました。

 逆に、オリンピック3連覇の吉田沙保里選手は、週に1日は必ず休むようにして、リフレッシュしてから厳しい練習に望んでいるということを聞いたことがあります。

 浅田選手も、オリンピックまでにはまだ時間もありますし、故障をしているしていないにかかわらず、オーバーワークにならないということが、技術向上のための近道なのではないかと思います。

 怪我をしたらしっかりと休み、怪我の回復に努め、練習時間が足りなければ、プログラムのレベルを少し下げても構わないのではないかと思います。オリンピックまでに体を壊してしまえば元も子もありません。

 私たちファンも、浅田選手が目指す理想の演技を見てみたいという思いは、浅田選手と同じくらいあるのだと思います。しかし、それはオリンピックの舞台で見れればいいので、急ぐ必要は全くないのだと思います。

 高い技術の習得を目指すのであれば、コンディションを整えることがより重要になるのだと思います。

 目標を平昌に定めて、そこから逆算してその年その年の目標をクリアしながら、着実なレベルアップを目指していくべきなのだと思います。

 一気に高みを目指すのではなく、1年1年、しっかりとした歩みの中で、オリンピックの舞台で最高の演技が見れることを心から期待しています。

 

浅田選手の見事な復帰



  浅田選手がジャパン・オープンを見事な勝利で飾ることができました。

 世界を見渡しても、才能的に浅田選手にかなう選手は見当たりませんし、浅田選手は最年長ということで、これまでの練習時間、努力、経験で勝る選手はいないのだと思います。しかも、これまで、浅田選手を標的にしたような採点の変更があったり、本来浅田選手を支えるべき人たちに足を引っ張られたり、さまざな困難を乗り越えてきたソチの舞台に比べれば、多少のブランクが有っても、十分に実力が発揮できることは予想できました。今回の結果は当然といえば当然だったのだと思います。

 しかも、今回は完全な演技ができず、今の時点で8割から8割5分程度の力で、ほぼパーソナルベストの点数が出ているので、ソチの実力は余裕で超えているのだと思います。

 今回の演技を見て、浅田選手は、空前絶後の史上最高のスケーターであることが、改めて確認できました。

 しかし、「好事魔多し」といいます。油断をしたら何が起きるかわかりません。トゥクタミシェワ選手やソトニコワ選手も本調子とは言えませんし、国内でも宮原選手は確実に実力を上げてきています。また、突然素晴らしい演技をする選手が現れる可能性も十分にあるのだと思います。次のオリンピックは平昌ということで、キム・ヨナ選手が現役復帰をするということも、ないとは言えないのだと思います。

 そして何よりも、またルールの変更がある可能性は十分にあり得るのだと思います。私は日本人が狙い撃ちをされているように思うのですが、体操で銀メダリストの池谷幸雄さんは、「一人の選手が勝ち続ける状況が続かないようにルールは変わっていく」と言っていました。

 どちらにしても、今の状況では、浅田選手が圧倒的な実力であることは疑いのない事実で、浅田選手が勝てなくなるようなルール変更があっても、全く不思議ではないのだと思います。

、演技のレベルも、今回のレベルにとどめ、なるべく実力差を見せないようにすることで、たとえルールが変わっても、適応できる範囲に抑えられる可能性が出てくるのではないかと思います。

 これから本当に大変な戦いが始まりますが、浅田選手が「復帰してよかった」と心から思えるような結果が出ることを祈っています。(撮影・桐山弘太)(写真:産経新聞)

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