2016/06/22
運転開始から40年が経過した、福井県にある高浜原子力発電所1号機と2号機について、原子力規制委員会は、最長20年の運転の延長を全会一致で認めました。
40年経過した原子炉施設は間違いなく劣化していて、廃炉にすべきという規則だったのだと思うのですが、一度の審査で20年も延長できるというのは、常識的に考えて全く理解できません。原子力委員会の責任を明確にするためにも、長くても5年に一度は同委員会がしっかりとコミットした形で、審査をやり直すということが最低でも必要なのではないかと思います。そこで、使用に耐えられない劣化がないかどうか徹底的に審査をするべきなのだと思います。
しかしながら、原子力委員会の審査は世界一厳しいと言いながら、何をどのように審査しているのか全く信用できません。高浜原発4号機に関しては、再稼働早々自動停止し、その前にもボルトが緩んでいたために1次冷却水が漏れる不具合も起きています。
原子力委員会のお墨付きは、全く信用度ゼロで、サブプライムローンが含まれた金融商品をAAAとした、多くの格付け会社と同じくらい信用できないのだと思います。
日本の原発に関しては、日本の組織に任せていれば、福島のような事故が再び起きる可能性は否定できません。IAEAやアメリカ、フランスの原子力組織に積極的に関与してもらう必要があるのだと思います。特に福島原発の廃炉作業が遅々として進まないのは、事故の状況が、人間の技術力をはるかに超えた状況に陥っていて、世界の知識、知恵、技術の粋を集めても収束可能かどうかわからないと言われています。
プライドを捨てて、全世界に助力を求めて、どんなにお金が掛かっても、事故の収束に全力を尽くしていただきたいと思います。
また、日本は原発を稼働できる国ではないと言うことは明白なのだと思います。
日本は世界の4つのプレートの上に位置し、どこでも大地震が起きる国であり、核廃棄物の最終処分場を作れない国でもあるのだと思います。
地震に関しては、熊本の地震も、大きな地震が起きない地域と思われていましたし、先日の函館の地震などは、未知の断層による地震であることが発表されています。
これは、活断層の有無にかかわらず、原発直下の地震の可能性があることを示していて、すべての原発を速やかに廃炉にし、日本から原発をなくしていく必要があるということが明らかになったのだと思います。
また、核廃棄物の処分場は、安定した地層、地下水が侵入しないことが条件なのですが、処分場を許可する自治体がないという以前に、この二つの条件を満たす土地が日本にあるとは到底思えません。フランスの核処分場であるオンカロでさえ、地下水が侵入する部分が有り、すべてを処分場にすることはできず、もしかすると最終処分場になるかどうかさえわからないと関係者が証言していました。
原発は国が税金で賄っていたり、事故が起きた時には国が責任を持つので、電力会社にとっては非常に安い電源なのかもしれませんが、国が関与している部分は私たちの税金が使われていて、結局すべての費用は電気代と税金で、全てわたしたち国民が負担しています。電力会社にとっては安い電源なのかもしれませんが、私たち国民にとっては決して安い電源ではないということが明らかになってきています。
原発のメリットはほぼないといってよく、国を滅ぼす恐ろしいリスクだけがあるのだと思います。
福島の事故の収束に全力を尽くし、原発すべてを廃炉にするという決断を国には是非ともお願いしたいと思っています。