2016/08/04
今回の都知事選は、舛添氏の政治とカネの問題を受けてのもので、同じ轍を踏まないために、小池氏以外の候補が当選するよう、可能性が高かった増田氏に私は投票しました。
しかし、小池氏が他候補を圧倒する形で当選を果たし、とても残念ですが、どうかまた政治とカネの問題で任期途中で辞任という形にならないことを祈るばかりです。
小池氏が都知事となりましたが、決して悪いことばかりではないことが少しずつわかってきました。
まずひとつめは、絶対的な権力となりつつある自民党とひるむことなく戦って、圧勝を収めたことで、小池氏は決して権力に屈しない人であることがわかりました。今の政権は、結局支持団体の票を固めるための政治に終始して、国民全体のための政治という視点が少しかけ欠けているようにも思えます。小池氏は、そういったしがらみが一切なく、都民のための政治に焦点を当てることが可能な都知事とも言えるのだと思います。
ふたつめは、莫大に増えていくおそれがあるオリンピックの予算を厳しく監視して、縮小できた予算を今ある子育てや待機児童、介護の問題に振り当てられる可能性があるということです。
もともと都民の3分の1くらいの人はオリンピック開催に反対で、その予算を山積する問題に投じて欲しいと思っていました。私もその一人で、コンパクトでリーズナブルなオリンピックで、しかも経済効果が高いということを真に受けて賛成に回ったのですから、この公約はなんとしても実現してもらいたいと思います。
日本には数多くの国際的なイベントを成功させてきたノウハウがあるわけですから、低予算でも立派なオリンピックが開催できることを世界に示していただきたいと思います。オリンピックが成功することは日本にとっては当たり前のことで、多額の予算を投じてオリンピックを成功させても、そのあとに莫大な借金が残るようであれば、それはオリンピックが成功したとは言えないのだと思います。オリンピックはどれだけ利益が出たのか、その後のレガシーがどれだけその地域のために役割を果たせているのかを含めた形で成否を判断する必要があるのだと思います。
また、オリンピックの予算が莫大に増加している背景に、利権がらみで暗躍している議員がいるという噂があります。
小池都知事を最初から推薦し、自らの進退をかけて応援し続けた元東京地検特捜部の若狭氏は、副知事になって、オリンピックの利権の追及をするということを明言しています。
副知事の任命には議会の承認も必要で、与党が若狭氏の副知事就任に難色を示すのではないかと若狭氏自身が言及していましたが、そこで強く若狭氏の副知事就任に反対する議員がいれば、その議員こそが利権の恩恵に預かっていると強く疑わざるを得ません。マスコミには、若狭氏の副知事就任に反対する議員の名前の公開をお願いしたいと思います。議員の皆さんには、自ら潔白であると主張するのであれば、若狭氏の副知事就任を快く承諾していただきたいと思っています。
最後に小池氏の都知事選に圧倒的に勝利したという事実自体が、日本の政治を大きく変えるエポック・メイキングな役割を果たす可能性があるのだと思います。
今の政治は、組織票を固めることに終始し、国民全体の政治とは程遠い状態にあると言わざるを得ません。選挙に勝ち続けるには組織による固定票がどうしても必要であるという認識から脱することは難しいのだと思います。
対して今回小池氏は自ら風を起こし、その風に乗ることで固定票をも覆し、圧倒的な勝利を収めました。
国政では今自民党が圧倒的な状況がずっと続いていますが、これは組織の票だけではなく、安部総理自身が、官僚の中の官僚とも言うべき財務省と真っ向から対立し、金融緩和を続け、消費増税を自ら延期し、日本の経済の好調をなんとか保っているという事実が大きいのではないかと思います。経済が好調である限り、自民党に風は吹き続けるのだと思います。
逆に、風には「逆風」という風もあります。民進党は、民主党時代に官僚と戦うと豪語し政権を取りましたが、そのあとの行動は、国民との約束をことごとく破り、官僚のポチと成り果てて、野党になってもその姿勢は一切崩れることがありません。
その様な姿を国民は厳しく見ています。政権から脱落して以来、ずっと強い逆風が吹き続けているのだと思います。
政治家は皆、風はすぐに変わってしまい、風だのみの選挙はできないと考えているのかもしれませんが、それは自らの行動で風向きを変えてしまっているということに気づくべきだと思います。
安倍総理のアベノミクスに対して不満を持つ人はたくさんいますが、それでも総理が懸命に手を打ち続けていることを国民の多くは見ています。ですから多少風は弱くなりつつあるのかもしれませんが、その風が逆向きになることはありません。
多くの政治家が風を起こし、その風を吹かせ続ける努力をすることが、政治家として長期に渡っていい仕事をすることにつながっていくと私は確信しています。
小池都知事も、約束したことを全てできなくても、それに向かって努力する姿勢を見せ続ければ、風の向きが変わることはないと思います。是非とも頑張って、東京都に山積する課題の解決に全力を尽くしていただきたいと思っています。