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ハリルホジッチ監督の責任を問うのはお門違い

 ハリルホジッチ監督の責任を問う声がちらほら出てきていますが、まったくお門違いも甚だしいとしか言いようがありません。

 ブラジルワールドカップでは日本は散々な結果に終わりましたが、それにはいくつかの理由がありました。

 まずひとつめには、日本は緻密な連携に基づくパスサッカーを得意としていましたが、これはメンバーを固定しなくてはできない戦略で、1人メンバーが欠けても連携が崩れるため、どんなにコンディションが悪くても固定した選手を使わざるを得ず、最悪のコンディションのメンバーばかりを使うことで日本らしいサッカーが全くできませんでした。

 ふたつめには、このようなパスサッカーは、調子がいい時でさえ、相手が日本よりも劣るアジアの国であってもひいて守られると得点は難しく、W杯本戦のような世界のトップレベルの国がすごいスピードで体を張って守備をすると、なかなか点を取ることはできなかったのだと思います。

 みっつめには、日本の守備は、相手に抜かれないことを目的にしているため距離を詰めず一定の距離を保つので、ドリブルが得意な選手がひとりでエリア近くまで簡単にボールを運ぶことができたり、中盤あたりではボールを持っている選手でもノーマークの場合があって、絶妙なロングパスから失点という場面も多く見られました。日本の守備は世界標準からはかけ離れた非常に劣ったものだったのだと思います。

 ハリルホジッチ監督は、日本のパスサッカーではなく堅守速攻のチームを作ることで、誰が出場しても同じようなレベルのプレイが出来るようなチームを作りつつあります。攻撃に関してならJリーグの選手でも得点シーンが増えたように思います。W杯ではコンディションの悪い選手を休ませたり、調子を整えさせることが可能になるので、ベストに近いコンディションの選手ばかりで試合に臨める可能性が高まったのだと思います。そして、速攻は相手の守備が整う前にシュートができる場合が増えるので、パスサッカーよりも得点率は間違いなく上がるのだと思います。

 守備に関しても、ボールを持った選手にプレスをかけて、ボールを奪う守備ができるようになってきましたし、どの位置でもボールを持った選手に前を向かせなかったり、パスコースを狭めることで、パスを奪う確率も格段に上がったように思います。プレスをかければ相手に抜かれるリスクは高まりますが、そのときは体を当てて止めたり、上手く連携して違う選手がカバーしたりといったことも出来始めているので、守備も世界標準になりつつあるのだと思います。

 ただ、このような守備ができているのは欧州組の選手に多く、Jリーグの選手が増えるとかなり不安定な守備になりがちなので、ここはJリーグの選手の奮起に期待したいと思います。

 このようにハリルホジッチ監督の指導のもと日本代表チームは見違えるほど素晴らしいチームになりましたが、ひとつ難があるとすれば、それはひいて守る国に対して速攻はあまり効果を発揮しないというところだと思います。

 しかし、先日のタイ戦で見せたようにポゼッション重視で、上手く緩急をつけたりサイド攻撃からのセンタリングでチャンスを多く作ることもできましたし、相手が前掛かりになったところでのカウンターでも得点できたので、ひいた相手でもタイ戦のようなサッカーができれば勝ち続けることができるのではないかと思っています。

 UAE戦で敗れたのは、明らかに「中東の笛」のためで、あれをやられたらどんなに実力差があっても勝つことは極めて難しくなります。特にW杯予選では何が起こるかわからず接戦になることが多いので尚更だと思います。

 そして、主力が欧州組ばかりなので、一緒に練習する時間が極めて少ないというのはやはり大きなデメリットだとは言えるのだと思いますが、Jリーグの選手と欧州組とでは実力差があるので、欧州組を多く使わざるを得ないことに反論する人はいないのだと思います。その欧州組でもレギュラーではない選手が多く、試合勘が鈍っている選手も増えてきているのは否定できない事実なのだと思います。

 しかし、これらのことは監督がコントロールできる範囲のものではなくて、そのことを監督の責任にするのはあまりにも理不尽であるとしか言いようがありません。批判をするのであればどうすればいいのか、監督が誰だったらそんな状況でもコントロールできるのか教えていただきたいと思います。

 10月のイラク戦、オーストラリア戦は、そのような状況から厳しい試合になることは間違いないと思いますが、「中東の笛」さえなければ2戦とも勝利できると私は信じています。実力、戦略的にも日本に弱点はなく、日本のサッカーができれば、2戦とも勝利できるはずです。

 ハリルホジッチ監督という優れた指導者と日本代表の選手の力を信じて、必ず勝利できるよう応援していきたいと思っています。
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自民党総裁任期無期限論

 自民党総裁任期無期限論が出ているようですが、全く問題はないように思います。日本の総理大臣は外国に比べて任期が短く外国の首脳と親密な関係を築くことも、長期にわたる政策に取り組むことも難しいのだと思います。

 安部総理以前の総理は皆、官僚べったりの人物ばかりで、国益や国民の利益よりも圧倒的に官僚の利益を代弁する総理ばかりだったので、当然支持率も急降下し、任期も極めて短く終わる総理ばかりでした。

 結局、国民よりも官僚にばかり目を向けている総理は短い任期で終わりますし、官僚と戦い国民のための政治を目指す総理は支持率も高くなるので、長期政権になるのだと思います。国民のための政治をしてくれるのであればいつまでも総理でいてくれて構わないですし、少しでも問題のある総理ならば国民が決して許さないので、任期を区切る必要性は皆無と言っていいのだと思います。

 特に安部総理は、官僚の中の官僚と呼ばれる財務省に逆らい金融緩和を促進し、財務省の悲願ともいえる消費増税を延期することができました。このような芸当ができるのは、与野党を見渡しても安部総理しか見当たらず、できる限り長く総理大臣を続けていただきたいと思っています。

 官僚の言いなりになって国益よりも省益を優先することが問題であることは、今はマスコミも政府の顔色を伺ってあまり言われていませんが、少し前までは普通に言われていました。なぜかといえば国益と省益は対立する場合が多く、それが国民の利益や日本の将来にとって大きなマイナスになるためで、官僚の中の官僚と言われる財務省が主張する金融緩和の弊害や消費増税の促進は、財務省の権限拡大には大きく寄与はしますが、国民にとっても日本の将来にとっても大きなマイナスであることは間違いないのだと思います。

 なにか、金融緩和が非常に悪いもののように言われていますが、通貨の価値というものは、グローバル化が進んだ現在では極めて相対的なもので、他国より少しでも信用が高ければその価値が下がっていくことはなく、日本の場合はむしろ信用が高すぎることで自らの首を絞めているという状況なのだと思います。

 たとえるなら、日本は贅沢をしすぎた酒造メーカーのようなもので、実際には5千円程度で売りたいウイスキーが,あまりにも品質が良すぎて1万円以上になってしまっている状態なのだと思います。そこで水増しするなどして品質を落として5千円くらいにして一般の人にも買ってもらおうとしているのですが、外国のメーカーはもともと日本よりも品質が良くないのにさらに水増しをして品質を落としているので、水増しで相当品質を落としたウイスキーでも、1万円かそれ以上になってしまっている状況なのだと思います。5千円程度にしなければ多くの人に買ってもらえないので、今はもっと水増しをしなくてはならない時期なのだと思います。そして、手間もかからず原価も安いウイスキーが今は飛ぶように売れるので、今ならば贅沢で作ってしまった借金を返すことができて、しかも商売にもプラスになるので、水増しすることは一石二鳥になるのだと思います。

 いま日本に必要なのは、通貨の水増し、つまり金融緩和であり、たとえば日銀が保有する国債を様子を見ながら無期限無利子のものに交換していけば、負債の返還義務がなくなる上に円高を止めることができて、長期金利も上がってくるので一石三鳥になるのだと思います。

 これは、国民にとっても日本の将来にとっても大きなプラスになり、外国の通貨が円よりもかなり信用を失っている現在ではハイパーインフレのおそれも国債の暴落もほぼないと言っていいのだと思います。

 いいことばかりなのに財務省が反対するのは、結局金融緩和だけで借金の問題が解決してしまい、悲願である消費増税ができなくなることをおそれているとしか思えません。

 国の予算は次年度の歳入の予想から成り立っていて、歳入の増減は全く関係なく、予想歳入が高ければ高いほど多くの予算を計上することができる仕組みになっていると聞いています。ですから、消費税率を上げることができれば、次の年の歳入が増えようが減ろうが多くの予算が獲得できると聞いています。

 このような理不尽は絶対に許してはならないのだと思います。そのような財務省と上手く折り合いをつけながら戦うことが出来るのは今のところ安部総理しかいません。

 安部総理は日本経済を救った救世主であり、その力はまだしばらく必要なのだと思います。

 財務省の力は今は強大になり、財務省応援団は与野党のみならず、学界、財界、マスコミに及び、これらオールジャパンと言っても過言ではない大勢力と戦えるのは今のところ安部総理しかいません。

 どうか安部総理には少しでも長く総理を務めていただいて、その間に日本の借金を少しでも減らし、持続可能な社会構築への道筋をつけていただきたいと心から願っています。

自衛隊の南スーダン派遣の是非

 日本の安全保障はアメリカが非常に多くの部分を占めていて、アメリカが日本の領土をともに守るという宣言をしてくれることが非常に重要なのだと思います。

 戦後すぐには、アメリカとソ連が対立し、中国も含めた共産主義を封じ込め、日本が西側につくことで経済的な繁栄を示すということも大切で、アメリカとしては日本の基地使用のみを条件に日本を守るということがとても重要だったのだと思います。

 その後ソ連が崩壊し、冷戦が終結し、共産主義が世界を席巻するおそれがなくなることで、アメリカは日本を守る強い動機を失うことになりました。また、それまではソ連だけが日米安保の対象だったのが、北朝鮮の驚異にも対応しなくてはならなくなったのだと思います。

 日米安保は、基本的には日本が独力で自国を防衛し、アメリカに軍事協力をすることでアメリカが日本を守るというギブアンドテイクの条約なのだと思います。そこで、ロシアのみではなく北朝鮮の脅威も加わることで、ガイドラインの改定が行われ、周辺有事の際の後方支援が日本のなすべきこととして具体的に加わりました。

 そして時は流れ、今度は中国の海洋進出の動きが活発になり、中国は尖閣を含む第一列島線、第2列島線の獲得を表明し、実際にそのための行動を起こし始めました。

 日米安保の対象は、ロシア、北朝鮮に加えて中国もその対象になったと言っていいのだと思います。

 アメリカが日本を守るギブアンドテイクのために今回の安保法制の改定が行われたのだと思うのですが、駆けつけ警護など、それはアメリカとの同盟の強化には直接資するものではなく、それまでは憲法違反だった内容をあえて憲法の解釈を変えて可能したのですが、果たして日本の安全保障のために本当に必要なものなのか大きな疑問があります。

 日米安保の対象が広がり、日米安保の強化のために必要ならば、ある程度自衛隊の活動を拡大していく必要はあるのですが、もともと日米安保条約では日本の軍事協力は憲法の範囲内という規定があり、それ以上の軍事協力をする必要はありません。ましてや、日米の軍事同盟の強化に直接関係のない駆けつけ警護など、自衛隊員の命の危険が増すだけで、日本がなすべきことでもなんでもないことを無理やり可能にしたことは、はっきり言って失策だったと言っていいのだと思います。他国で生活する邦人の命を守るために必要だと言われていましたが、紛争地に日本人が行くことはほぼなくて、その驚異は国家ではなくテロリストなので、自衛隊の活動が拡大したところで邦人の安全には全く関係はないのだと思います。7月のバングラディシュのテロで7人の命が失われましたが、テロにあっては集団的自衛権の強化はなんの効果もないことが証明されたのだと思います。

 NGO・国際連合職員として世界各地の紛争地での紛争処理、武装解除などに当たった実務経験のある伊勢崎 賢治教授は、今回自衛隊が派遣される南スーダンでは、その任務があまりに危険なため、西側先進諸国が現地での危険な任務からは撤退しているにもかかわらず、日本の自衛隊が派遣されることに異議を唱えられているとのことですが、私もこの決定に賛成することは到底出来ません。

 今回の安保改正は、もともと憲法違反だったものを無理やり通したものなのですから、その運用は慎重に慎重を期すべきで、紛争の状況、国際社会の動き、西側各国の動向、本当に自衛隊がなすべきことなのかを十分に吟味した上で決定されるべきで、今回の南スーダンへの派遣は見合わせるべきなのだと思います。

 国会でしっかりと議論し、南スーダンへの派遣は中止し、どのような場合に自衛隊の派遣がなされるべきなのか、その条件を明確にしていただきたいと思っています。

生前退位を特別措置法で

 天皇陛下の生前退位を特別措置法で可能にするということですが、安倍総理の真意は、「生前退位は認めるべきだが、まずは特措法で認め、その後で皇室典範の改正も検討すればいい」(Nikkei BP netより)とのことだそうです。

 結局皇室典範の改正は短期間では難しく、生前退位を恒久化するためには憲法改正が必要との意見もあることから、特措法での成立を目指すとのことです。

 しかし、今の天皇陛下が崩御され、浩宮さまが天皇になられた場合、皇太子の地位が不在になり、第一皇位継承者である秋篠宮様の地位が皇室典範で示されていないことから、早晩皇室典範の改正は避けられないのだと思います。

 また、浩宮さまから秋篠宮さまに皇位が継承される場合には、秋篠宮さまもかなりのご高齢であることが予想され、陛下がお示しになったように後継の儀式と天皇崩御の儀式が重なることで、その負担に耐えられないのではないかというおそれは、現実のものとして考えるべきなのだと思います。

 今回の特措法でよしとするのではなく、秋篠宮さまの皇太弟の問題とともに生前退位の制度の恒久化については引き続き議論し、できる限り早く皇室典範の改正を実現するべきだと思うのですがどうでしょうか。

小池都知事を支援した7人の区議に対して離党勧告

 自民党の東京都連は16日会合を開き、先の都知事選挙で、小池都知事を支援した党所属の区議会議員7人について、「党の方針に反する行為で責任は重大だ」として、来月末までに離党するよう勧告することになりました。

 これは、自らの首を絞めることになりかねず、決して賢い選択とは言えないのだと思います。

 小池都知事は政治塾を立ち上げていて、小池新党の準備を進めているとも言えて、小池都知事を支援した7人が離党ということになれば、小池都知事としても応援してもらった恩に応えるためにも、区議会議員を含めた新党の立ち上げを進めていかざるを得ないのだと思います。災いは都議会だけにとどまらず、各市区町村議会に及ぶ様相を呈するおそれも出てきました。

 都連も小池都知事と共に都議会の改革に積極的に取り組めば、小池都知事も新党を立ち上げる必要もなく来年の都議選も安泰だったのだと思いますが、小池新党対自民公明という形になれば、都知事選の結果から考えると、自民公明の支持者が小池新党に流れる公算が高いと言わざるを得ないので、民進や共産ではなく自民公明の議員が落選することも十分に予想されるのだと思います。

 さまざな恨みのようなものがあるのだと思いますが、感情的になれば大きな災いを自ら招く結果になるということはほぼ間違いないのだと思います。

  感情に流されるというのは幼稚な行為で、決して賢い判断はできないのだと思います。

 状況や有権者の動向を冷静に分析し、適切な行動を取り続けなければ、一寸先は闇というのが政治の常識なのだと思います。

 やはり、長年与党にいた奢りが冷静な判断力を奪ったと言わざるを得ないのだと思います。

 豊洲建設も莫大な予算を食い、オリンピックの施設も常識離れした莫大な予算が予定されているのは、利権がらみということが十分に予想され、自民党都議も何らかの形で禊を強要されることもあるのだと思います。

 東京都は、少子化、子育て、介護といった様々な問題を抱えていて、利権がらみの公共事業をやっている余裕はありません。常識はずれの無駄遣いを一掃し、適切な予算の執行が行なわれるようになることを心から望んでいます。

もんじゅの廃炉で最終調整

 政府は12日、原子力規制委員会が運営主体の変更を求めている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅを廃炉にする方向で最終調整に入ったとの報道がありました。

 もんじゅは1985年に本体工事を着工していて、増殖炉自体が31年前の前世紀の遺物であると言えるのだと思います。

 このような旧式の装置を利用しようということ自体がありえないのだと思います。

 高速増殖炉の研究はフランスと協力して続けていくということが検討されているようですが、そんなことよりも福島の原発の汚染水問題、燃料棒の取り出し、廃炉、最終処分場の確保にお金と人員を集中するべきなのだと思います。

 汚染水の問題も、凍土壁では全く対応できないのは明らかですし、燃料棒の取り出しは、世界を見渡してもそれを可能にする技術はどこにもなく、今から研究し問題の解決策を見出していかなくてはなりません。フランスと協力しなくてはならないのは、増殖炉ではなく福島原発の廃炉までの非常に困難な過程の方なのだと思います。

 原子力政策は一事が万事で、お尻に火がついてる切迫した問題であっても全て後回しにして、さらに原子力政策を推進する方ばかりに力を注ぎがちなのだと思います。

 今すぐにでも解決しなくてはならないのは、原発の再稼働ではなく、福島の廃炉のためにも放射性廃棄物の最終処分場なのだと思います。

 世界で唯一の最終処分場と言われているオンカロでも、一部に地下水が染み出すことですべてを使うことはできておらず、場合によっては最終処分場にできるかどうかはわからないと言われています。

 日本では放射性廃棄物をガラスで固めて海底に埋めようという話がありますが、そんなことが可能ならば、オンカロが地下水をこれほどおそれていることの説明がつきません。

 自治体の反対で最終処分場の候補地が見つからないという問題以前に、地震が多く降水量が多い日本に、最終処分場にふさわしい土地は存在しないのだと思います。

 唯一の方法は多額のお金を積んで、地震がなく、地下水が絶対に染み出てこない土地を外国から借り受ける以外にないのだと思います。

 原発の廃炉、最終処分場のことを考えたら、その費用は青天井と言ってよく、さらに原発政策を推進しようとすることは、常識的に考えられないのだと思います。

 電力会社は、廃炉も国に任せようとしていて、それは全て私たち国民の負担になります。安い電源というのは、電力会社にとって安い電源とは言えても、立地自治体に支払う電源三法も含めて全て私たちが税金として負担しているので、私たち国民にとっては決して安い電源ではないのだと思います

 これだけ危険で、決して安い電源とは言えない原発は、致命的なデメリットばかりでひとつもメリットを見出すことができません。

 一日も早くすべての原発を廃炉にできるように、福島の事故処理、最終処分場の設置という厳しい問題を解決できるように、政府は世界中の技術者の知恵を集めて、全力を尽くすべきだと強く要請したいと思っています。

経験豊かで指導者としての資質のある人物を監督に

 広島が25年ぶりに優勝しました。黒田投手や新井選手がフィーチャーされがちですが、絶対的エース前田健太投手が抜けて優勝できたのは、やはり緒方監督の手腕が大きかったのではないかと私は思います。

 セ・リーグは、指導者の経験がほぼなくて、いきなり1軍の監督になった人が6チーム中4人で、2軍の監督から1軍の監督になったのはヤクルトの真中監督と広島の緒方監督の二人だけでした。昨年は真中監督のヤクルトが優勝し、今年は緒方監督の広島が優勝しました。これは偶然ではないのだと思います。

 チームを率いる上では経験というものはすごく大切で、指導者になって初めて経験することも多いでしょうし、その中で勝つための細かなノウハウを学んでいる監督とそうでない監督とでは、大きな差があるのだと思います。

 また、段階を踏んで1軍のコーチや2軍の監督を経験すれば、その人物が指導者としての資質があるかどうかは判断できるのだと思います。

 セ・リーグの場合は監督としての資質よりも人気があるかどうかで監督を選んでいる場合もあって、それが全て悪いとは言えませんが、監督を任される人も、1度指導者としての経験を積んだほうがより力をつけた形で采配を振れるので、結果を出しやすくなることはあるのだと思います。

 交流戦でセ・リーグがパ・リーグに大きく負け越しているひとつの大きな原因が、監督の経験の差なのではないかと私は思います。パ・リーグの場合は、人気ではなく100%実力で監督を選んでいるので、野球のレベルがセ・リーグよりもひとつ上なのではないかと私は思っています。

 いきなり1軍の監督を任されるのは、本人にとっても重圧がかかりますし、選手もいい指導者の下ならば、力を発揮しやすいですし、その後の野球人生にも大きく影響することも多いのだと思います。監督を選ぶ際には人気だけではなくて、指導者として優れた資質のある人かどうかを確認した上で選んでいただきたいと思っています。それが日本の野球界全体のレベルアップにつながると私は確信しています。

決定力不足解消のために

 先日のタイ戦は、初戦を落としたプレッシャーがありながら、しかもアウェイの試合で実力を上げてきたタイ相手に2-0の完封勝利を収めることができて、本当に素晴らしかったと思います。人数をかけて守る相手から2点取れたことは、今の日本代表が確実に力をつけている証明にもなったのだと思います。

 しかし、決定的な場面で得点できなかった場面がいくつかあったことは事実で、ハリルホジッチ監督の「もっと得点できたはずだ」という発言は否定できない部分はあったのかもしれません。

 技術的には大量点を取るだけの実力は今の日本代表にはあるはずで、決定力にいまいち欠けるのは、やはりメンタルの部分が大きいのかもしれません。

 メッシやネイマールなど、超一流の選手たちは、時に人を驚かせるような遊び心にあふれた技術で得点を重ねていますが、その姿は難しい場面を楽しんでいるように見えます。

 彼らの場合は世界最高峰の技術、特別な精神力があることから常に落ち着いて精度の高いプレーを見せることができて、その真似はできないのかもしれません。しかし、プレーを楽しむということは、脳科学的にも非常に重要なのではないかと私は考えています。

 アスリートの多くが「試合を楽しみたい」といった発言をよくしますが、これは本当に重要なことなのだと思います。

 高い集中力が発揮される脳の状態は、緊張状態の時に出るβ波とリラックス状態のときに出るα波が同程度出ている状態の時で、緊張状態の中でα波を出すことが非常に重要なのだと思います。

 大きな重圧の中でリラックス状態をつくるには、試合自体やプレー自体を「楽しむ」ことが非常に重要なのだと思います。

 W杯予選という大きな重圧の中で、楽しむということはほぼ不可能なのかもしれません。しかし、絶好のシュートチャンスの時だけでも、試合の重圧を忘れてプレー自体を楽しむことが出来れば、集中力が上がることで落ち着いてプレーができますし、相手を驚かせるような創造的なプレーも出やすくなるのではないかと思います。

 シュートを決めるということは、どんな絶好のチャンスであってもいくつかの困難を乗り越える必要があって、試合の状況、勝ち負けをその瞬間だけ忘れ、困難を乗り越えることだけを考え、その過程を楽しむことができれば、高い集中状態を作り出せるのではないかと私は思います。

 今の日本代表の選手は世界に通用するような高い技術を持ち、経験値も高い選手が多くて、どんなにプレッシャーのかかっている試合でも、瞬間瞬間を楽しめるだけの資質が備わっている選手が多いのではないかと私は思っています。

 どうしてもα波が出ないというのであれば、笑顔を作るだけでもα波が出ると言われていて、外国の短距離の選手は、スタート前に笑顔を作っている選手が多いと聞いています。

 シュート時に笑顔を作って外した時には日本中から怒られるとは思いますが、試してみる価値はあるのではないかと思います。

 高い集中力でプレーをするために、「楽しむ」ということが必要ならば、様々な工夫をして、ここぞという時に楽しめる方法を一人一人が編み出す必要があるのではないかと思います。

 これからも過酷な試合が続きますが、今の選手の実力が十分に発揮できれば、勝てない相手はいないと思います。困難な状況を逆に楽しみながら、勝利を積み重ねていけるよう心から応援しています。

北方領土の問題解決に向けて

 北方領土の問題に関しては、4島の帰属は日本にして、ロシアの住民はそのまま住み続けて、軍事基地も置いていいという案で両国の交渉が進んでいるという話があります。

 これは、この問題を一歩進めるという意味では評価すべき案なのではないかと私は思っています。北方領土問題の解決の最もネックとなるのは今住んでいるロシア人への対応で、この案ならば今住んでいる住民が出ていく必要もなく、日本としてもそれに伴う補償の問題も起きないので、両国にとって都合のいい解決策になるのではないかと思います。完全な返還というのはいつになるかは交渉次第でなのでわかりませんが、動き始めれば、完全解決への道筋が見えてくるのではないかと思います。

 帰属は日本で、ロシア人が住み、軍事基地もある中で、日本人の行き来も自由になるということは、ロシアと日本の国境が一部なくなるということなのだと思います。その上で平和条約が結ばれれば、日露の関係は非常に緊密なものとなり、対北朝鮮、対中国ということでは、ロシアを巻き込んでいける可能性も出て来るのではないかと思います。、全保障上も非常に良い方向に向けられる可能性があって、是非とも進めていただきたいと思います。

 アメリカやヨーロッパからはロシアへの経済制裁の効果がなくなることから、このような交渉を進めることをやめるように言われていますが、原油安と経済制裁というロシアにとって非常に過酷な状況である今だからこそ出てきた千載一遇の機会なので、多少欧米諸国との関係が悪くなったとしても、進めていくべき案件なのだと思います。

 これは日露両国で国民からの批判も当然起きてくるのだとは思いますが、安部総理、プーチン大統領が強い決意で進めていっていただきたいと思っています。

イスラエルと無人機の共同開発

 先日、イスラエルと無人機の共同開発を防衛省が検討しているという報道がありましたが、日本の安全保障のことだけを考えるならば非常に魅力的であると言わざるを得ないのだと思います。

 安全保障を考えたとき、攻撃のみならず情報収集においても無人機はなくてはならない存在になりつつあるのですが、アメリカは3機で1000億円(報道によっては1500億円)、しかも情報は公開しないとしているのに対して、イスラエルはその10分の1で提供し、情報も公開するとしています。無人機の有用性を考えると、自国生産ができるということは非常に魅力的な申し出と言えるのだと思います。

 しかし、日本の安全保障だけを考えるならばこの申し出を受けないという選択肢はないのだと思いますが、海外、特にイスラム教徒が多い国に住む日本人の安全を考えると、簡単にこの話に乗ることはできないのだと思います。

 2004年10月香田証生さんがイラクでアルカイダに殺害されましたが、その理由はイラクに入国する前にイスラエルに寄っていて、スパイと間違えられたために殺害されたと言われています。人質事件に関しては2004年中に3回、計6人の日本人が拘束されましたが、殺害されたのは香田さんただ一人でした。

 イスラム過激派にとってイスラエルというのは、全ての元凶と言ってもよくて、イスラエルと軍事協力ということになれば、このことが原因で日本人を標的にしたテロが全世界で多発するおそれも否定できません。香田さんの死を無駄にしないためにも、イスラエルとの武器開発は適切な選択とは決して言えないのだと思います。

 しかしながら、このことは完全には否定はしないで、アメリカとの交渉材料にして、日本の技術提供を交換条件に無人機の安価での提供を求めるというのがベストな選択なのだと思います。

 政府には賢明な対応をお願いしたいと思っています。

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