2017/02/21
斎藤投手が輝きを取り戻すために
斎藤祐樹投手が復活できるかということが注目されていますが、難しいとしか言えないように思います。斎藤投手が高校の時に松坂投手メのジャー行きが決まるのですが、角度のあるストレートが投げられるようなフォームに改造したことが評価され、莫大な契約金でメジャーに移籍することができたという報道がありました。それを聞いてか大学生になった斎藤投手は角度のあるストレートが投げられるようなフォームの改造に取り組み始めました。それが間違いの始まりだったのだと思います。
甲子園で優勝した時には針の穴をも通すようなコントロールの150キロ近いストレートを投げていて、ストレートとスライダーとの相性も非常に良くて面白いほど三振が取れるピッチャーだったのが、コントロールが甘くなり、高校の時のような輝きが徐々に失われていきました。
上背のある投手が角度のあるボールを投げると、奥行が上手く使えてかなり高いボールも低いボールもストライクになる上に、バットを水平に振っても線で捉えることができず点でしかボールを捕らえることができないので、バッターはとても打ちにくくなるのだと思います。しかし、背の低い投手は角度をつけたところで低いボールはボール、ストライクにしようとするとちょうど打ちごろの高さになり、高めのボールは普通の高めのボールになって長打を浴びる結果になる場合が増えるのだと思います。こうなると結局フォーシームのストレートで三振やアウトを取るのが難しくなり、トゥーシームやカットボールで勝負するしかなくなって、運任せの投球になってしまうので良かったり悪かったりの繰り返しになるのだと思います。
高校の時のような地を這うようなストレートを投げるには、体重を乗せたかなり回転のいいボールを投げる必要があって、回転が悪ければストライクをとることはできません。この時に角度がなかったとしても、打者は低めのボールに対してバットを水平に振ることはできないので線で打つことはできず、一点で捉えなくてはならないので、クリーンヒットや長打にはなりにくくなるのだと思います。膝もとの高さにストレート、変化球を集めることができれば、クオリティスタートの回数も増えていくのだと思います。
野村監督と対談した時に、野村監督は「高校の時のフォームに戻せば、必ず活躍できるようになる。」と言われていましたが、私も全く同感です。今、斎藤投手は大学1年の時のフォームに戻そうとしていますが、ゴールが間違っているので、大学1年のときのフォームに戻せたとしても、勝てるピッチャーになることは絶対にないのだと思います。
偉大な先輩のアドバイスも素直に聞けないというのは人間としてもどうかと思います。野村監督の言うことを素直に聞いて、高校の時の投げ方に戻せば必ず勝てる投手になれるのだと思います。再生工場と言われた野村監督のいうことを信じて、あの時の輝きが戻ることを心から望んでいます。