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日本相撲協会のガバナンスに問題があることが明らかに

 貴乃花親方に対して理事からの降格というかなり厳しい処分が下されることに多くの批判が集まっています。

 その場にいて暴力行為を容認し、親方にも報告せず隠蔽しようとした白鵬よりも、被害者の親方で、第三者の目で事件を解明しようとした貴乃花親方に対してはるかに厳しい処分を課すということに関して、批判的な人の方が多いのは当然と言えるのではないでしょうか。

 協会は、二度と暴力事件を起こさないよう努めるべきなのに事件を明らかにしようとする者に厳罰を課して、事件をうやむやにしようした者に甘いということで、ガバナンスに問題があることが明らかになったのだと思います。事件の真相を明らかにし、どうしてこのような問題が起きたのかその原因を探り再発防止に努めようとする意思を全く感じることができません。

 協会としては保身に走るのは仕方がないとも言えるのだと思いますが、むしろそのような保身を諌め、被害者の側に立ち、原因究明、再発防止を促すべき立場にある横綱審議委員会、評議委員会、危機管理委員長が、被害者ではなく100%協会側に立ってむしろ貴乃花親方に厳罰を課すように煽っている姿は、異様な光景にしか見えません。

 むしろ協会もそれらの組織の顔を立てるために貴乃花親方に対する厳しい処分を課さざるを得なかったようにも思えます。

 この問題は単なる暴力問題であるというだけではなく、「モンゴル会」の存在を無視するわけにはいかないのだと思います。結成当初は本当に暖かい組織だったのに今は怖い組織になったという話もあり、暴行現場での証言を聞いても和やかな組織とは言い難いように思います。上位力士に逆らえない雰囲気は無気力相撲の温床になることは否定できないのではないでしょうか。

 「モンゴル会」を解散すべきとまでは言いませんが、頻繁に、特に場所前に会合を開くのは、李下に冠を正さずという意味でも控えたほうがいいように思います。年に1~2回会合を開き、貴乃花親方が主張しているように普段は出稽古に行って同じ土俵で稽古をし、それぞれの親方とともにちゃんこを一緒に食べるということでいいのではないかと思います。

 横審からも評議委員会からも危機管理委員会からも「モンゴル会」に言及がないのも全く解せません。日本相撲協会を外部から監視する機能を全く果たせていないのではないかと思います。

 これらの組織が機能しないのであれば所管する文科省やスポーツ庁が何らかのアクションを取る必要があるように思うのですがどうでしょうか。
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貴乃花親方は権力欲にまみれた人ではない

 人が人のことを判断するときに、自分がこういう人間だからこの人もそうだろうという先入観で見てしまいがちということはあるのだと思います。貴乃花親方の行動見るときに、派閥争いや立身出世に汲々としている人たちは貴乃花親方もそうなのだろうと思ってしまいがちなのだと思います。しかし貴乃花親方は一人現役の時から八百長とは無縁で、人間離れした大きさのハワイ勢がいる中で無類の強さを発揮し、史上最強なのではないかと言われています。それは並みの努力で達することのできる境地ではなく、自分に対して本当に厳しく徹底した鍛えによってしか成し得ない結果なのだと思います。まさに文字通り相撲道に不惜身命を貫いた横綱であったと言って間違いはないのだと思います。普通の人が自分と同じと思っていたら親方の真の思いを理解することはできないのだと思います。

 貴乃花親方は現役を引退し親方になってからも自分を追い込むような厳しい道を敢えて選んできました。反社会的勢力との関係から問題になったタニマチといち早く決別し、サポーター制度を立ち上げました。これはかなり厳しい選択で、なかなかサポーターを集めるのも難しく、苦労の割にはお金も集めにくい制度だったと思います。しかし、相撲協会の信頼回復のため、また、安価で相撲ファンとのつながりをつくり、相撲ファンを増やし、相撲界の裾野を広げていくために敢えて選んだ厳しい道だったのだと思います。

 2010年に二所ノ関一門を離脱したいわゆる「貴の乱」でも、一門を離脱することで協会からの支援を失うという厳しい状況に自らを追い込んでいて、それは改革への強い思いからであって、実際に利益を失っていることから自分の利益のためではないことは明らかなのだと思います。

 また、その後の野球賭博問題で、理事選で自身を支持した阿武松親方の弟子と床山、それに大嶽が野球賭博に関与して処分の対象となったこともあって退職願を提出しています。

 貴乃花親方は本当に人気実力ともに最高の力士と言ってよく、相撲界の将来や相撲人気を支えるファンの人々を大切に思い、自らが厳しい状況に追い込まれることになっても信念を曲げない真の横綱なのだと思います。それは現役を引退してもまったく変わらないように思います。

 伝統を守ることを大義名分とし、既得権益を守り、権力争いや保身に汲々としているのはむしろ相撲協会であって、これだけ大きな社会的な問題を次々と起こしているにもかかわらず、隠蔽体質や一般常識とかけ離れた発言は以前と何一つ変わっていないように思います。そして、相撲界の信頼回復やファンのための改革を主張する人々の言動を抑えつけ、「権力欲にまみれた人間」というレッテルを貼るのが、協会の常套手段と言っていいのだと思います。

 今回一門を離脱した錣山親方も、「権力争いのための離脱」というレッテルを貼られることが分かっていたため、敢えて貴乃花一門には入らないという選択をしたのだと思います。

 錣山親方も、最軽量に近い力士でありながら連続出場記録まであと一歩というところまでに至った努力の人なのだと思います。当然誰よりも努力し、自分に厳しくなければあの時代にあの小さな体でそこまで戦えるはずがありません。

 最近では会場の開門時に先頭に立ってもぎりの仕事もしていました。観戦にきたお客さんは本当に喜んでいましたし、錣山親方も協会のため、ファンが喜んでくれるならなんでもしたいという人なのだと思います。錣山親方が権力争いのために行動する人と思える人は、相当人間が曲がっているとしか思えません。「協会のルールの中で、協会がよくなるために自由に発言できる立場になりたい」という発言に嘘偽りはないのだと思います。

 そして、その発言からもわかるように相撲協会自体が改革を拒み、改革のための発言を抑え込む力が強く働いていることは容易に想像できるのだと思います。

 隠蔽体質の協会を懸念し、警察に被害届けを出した貴乃花親方を処分するようなことがあれば、同じような事件はまた必ず起きます。そして今度は公にならず何もなかったことにするおそれも十分にあります。そうなれば危機管理委員会や横審の責任も追求せざるを得ないのではないでしょうか。

 貴乃花親方を処分するのではなく、今回の事件を契機に協会自体の隠蔽体質を変えていく機会にする必要があると考えているのは私一人ではないと確信しています。

「陸王」はミッドフット走法ではなくフォアフット走法?

 12月24日ドラマ「陸王」が20.5%の高視聴率で大団円を迎えました。

 物語は、老舗の足袋屋「こはぜ屋」が社運をかけて「陸王」という足袋屋にしか作れない地下足袋をベースに開発したシューズでランニングシューズ業界に殴り込みをかける、登場人物一人一人の挑戦と敗北、そこからの復活を、様々な人間模様を織り交ぜながら見事に描いたドラマでした。

 ここで重要なキーワードとなるのが、「ミッドフット走法」という現在の主流とは異なった走法で、人類が狩りをしている時代に裸足で走ることで身につけたケガをしにくく疲れにくい走り方でした。この走法を身に付けるためにはソールが薄く裸足感覚で走れるシューズが必要で、それを実現すべく足袋作りの製法の技術を活かしてこはぜ屋が開発したのが「陸王」でした。

 「ダイワ食品」陸上競技部ランナーの茂木裕人が「第62回豊橋国際マラソン選手権大会」のゴール直前に半腱様筋を痛め棄権するところからこのドラマのもうひとつの柱である物語が始まります。半腱様筋の怪我は再発しやすく、選手生命に関わることから茂木が今までの走りを全て捨てて「ミッドフット走法」に修正するところから、「陸王」との運命的な出会いと復活劇が始まっていきます。

 ところが茂木裕人の走りはよく見ると足の真ん中から着地する「ミッドフット走法」ではなく足のつま先の方から着地する「フォアフット走法」にしか見えませんでした。

 この「フォアフット走法」は現在の世界のマラソンエリートたちの主流の走法で、かかとから着地する走法よりも接地時間が僅かに短く、それがほんの少しの時間であってもマラソンのような長距離になるとタイムの短縮につながると言われています。

 12月3日、第71回福岡国際マラソンで全体の3位で、日本歴代5位となる2時間07分19秒でゴールした大迫傑選手がこの「フォアフット走法」の選手で、日本で唯一人世界レベルの選手と言われています。大迫選手にとって二回目のマラソン挑戦で、しかも給水に一度失敗してこのタイムだったので、さらなる伸び代が期待できるのではないかと思います。

 ドラマ「陸王」では、現在世界で最も速く走れる走法であり、現役最速である大迫傑選手のこの走法を茂木のフォームの参考にしたのではないかと思います。茂木選手のその後の話は作る予定はないと言われていますが、もしも続編があれば、世界と互角に渡り合える選手になっているのではないかと思います。

 この「フォアフット走法」は速く走れるフォームではありますが、強靭な筋力が必要で、日本人には不可能な走法と言われていました。しかし大迫選手はナイキ・オレゴン・プロジェクトという世界で選りすぐりの長距離のエリート選手を集めた団体に所属し、最新科学をもとに筋力トレーニングに励むことで「フォアフット走法」を身につけることができました。

 大迫選手はもともと3000mと5000mの日本記録保持者で日本でもトップの長距離ランナーですが、大迫選手にできたのですからほかの選手にも「フォアフット走法」を身につけられる可能性は十分にあるのだと思います。

 マラソンは日本のお家芸と言われていましたが、今は世界とかなりの差がついてしまい、オリンピックで表彰台に登ることすら夢のまた夢という状況にあるのだと思います。「フォアフット走法」は「マラソン大国日本」の復活の大きな鍵となる走法なのだと思います。

 東京オリンピックに向けて、こはぜ屋や茂木裕人が挫折を乗り越え復活していったように、「フォアフット走法」で日本のマラソン界の大復活を期待したいと思っています。

 

白鵬関の立合いは品格以前の問題

 白鵬関の立合いが美しくないということが横審から指摘されましたが、これは品格以前の問題で、勝負の上で公平ではないのではないかと思います。

 下位の力士は横綱に対する敬意という点からも顔を張ったりかち上げをするということはほぼありません。相手がしない技は横綱もしないということは対等の条件で戦うためには必要なのではないかと思います。

 実は白鵬は相手力士が頭で思い切りあたってきた場合にはそのまま押し出されるということが横綱になった当初から時々あって、張られたりかち上げが来ると思えば、相手力士は思い切って頭からぶつかっていくことはできなくなるのだと思います。

 相手力士がしない技を使って自分の弱点をカバーするということでは品格以前に抜群の力量があるとは言えないのだと思います。勝負に公平を期するためには相手の力士がやらない技は横綱もやらないというのは、横綱を張る上で最低限必要なことなのではないでしょうか。白鵬関には横審やファン、メディアから一切文句が出ないような横綱相撲を初場所で見せていただきたいと期待しています。

 この問題でもう一つ聞き捨てならないことがありました。もしも下位の力士が横綱の顔を張ったりすれば、巡業で相当なかわいがりをされるので、まず横綱に対してそのような立合いはしないという発言を元の力士がしているのを知りました。

 朝青龍が高見盛に敗れたときに出稽古で高見盛にかわいがりをして病院送りにしたということがありましたが、これは横綱相撲以前の問題なのではないかと思います。

 朝青龍は同じ相手に連敗しないと言われていましたが、こんなからくりがあったとは知りませんでした。横綱に勝ったら病院送りにされるということになると次の場所で本気で戦うことはできないのだと思います。こういったことで無気力相撲になるのであれば、これは正す必要があるのではないでしょうか。

 場所で敗れた力士と出稽古や巡業で稽古をするなとは言いませんが、稽古が行き過ぎた場合には、無気力相撲や大きな怪我を防ぐために、横審や協会が厳重注意をするということは必要なのだと思います。

 モンゴル力士に対して腫れ物に触るような態度では、また角界を揺るがすような事件が発生するおそれは否定できないのだと思います。

 こういうことに関しても、モンゴル力士に対してしっかりと指導ができる理事長が必要なのではないでしょうか。それが誰なのかは考えるまでもないように思います。

処分が必要なのは貴乃花親方ではなく協会と危機管理委員会

 昨日日馬富士による障害事件の関係者の処分が決まり、貴乃花親方が後に処分されるということが決まりました。しかし、貴乃花親方が処分されるのは全くおかしくて、むしろ処分が必要なのは協会と危機管理委員会なのだと思います。

 協会に対して報告をしなかったのが処分の理由となっていますが、なぜ事件や不祥事が発生した場合に協会に報告する必要があるのかといえば、不祥事を起こした力士をかばい、その場にいた関係者が隠蔽することを防ぐためであって、貴乃花親方は隠蔽するどころか、警察に届け出ることで第三者による捜査を通じて真相を明らかにしようとしました。事件を公にすることで巡業部長の責任は全うしていると言っていいのだと思います。

 貴乃花親方は貴ノ岩関から事件の全貌を聞いたときに、野球賭博や八百長事件に匹敵するほど深刻な内容であることから、協会にのみ報告をすれば日馬富士はお咎めなしで貴ノ岩関が礼儀がなっていなかったというストーリーが作られることを事前に予想したために協会ではなく警察へ届出をしたのだと思います。

 その予想通りメディアを巻き込みながら事件の本質が貴乃花親方の権力闘争という話に掏り替り、貴ノ岩関に殴られるだけの礼儀を失した行動があったというキャンペーンが展開されていきました。

 貴乃花親方は何よりも弟子を守るために、そして自分自身を守るためには協会ではなく警察に届け出るというぎりぎりの選択をせざるを得なかったというのが真相なのだと思います。

 結果、貴ノ岩関は守られ、初場所が全休になっても十両に残るという特別な措置を勝ち取ることができました。

 協会にしても危機管理委員会にしても加害者の主張を一方的に採用し、被害者の主張は全て嘘であるという態度でこの問題にけりをつけようとしていたことから、処罰が必要なのは、協会と危機管理委員会なのだと思います。

 八角理事長は残り任期の3ヶ月の給料を全額受け取らないことで責任を取ったと言えますが、本来このような事件が起きないための予防的措置を講ずるべき危機管理委員会に全く責任がないというのはありえないのだと思います。

 なにより事の発端となったモンゴル会はそのままということは絶対にあってはなりませんし、このことに触れられないのであれば危機管理委員会が存在する意味はないのだと思います。
 
 日本相撲協会を所管する文科省やスポーツ庁はこのことを重く受け止めて、日本相撲協会に批判的な第三者のみを構成員とする危機管理委員会を設置しなおす必要があるように思います。

 また協会人事に関しては、八百長に全く関与していなかったのは貴乃花と稀勢の里だけだったという元力士の証言を聞いたことがあります。本当の意味でこのような不祥事を二度と起こさないよう協会を改革していくためには、現役を退いてからも理想の相撲道に不惜身命を貫いてきた貴乃花親方を理事長にする以外にないのではないかと私は思います。

 相撲は世界に誇る日本の国技です。どこから見ても恥ずかしいことがないように国も積極的に協力しながら相撲協会の改革に取り組んでいただきたいと思っています。

モンゴル会の今後について

 この問題を語る上で絶対に外してはならない存在があるのだと思います。それは「モンゴル会」という組織なのだと思います。

 貴乃花親方はモンゴル会が八百長の温床になることをおそれ、危機感を口にしていたとされています。2011年の八百長問題を受けて、様々な措置が講じられ八百長はなくなったと思われていますが、本当にそうなのでしょうか。もし本当に八百長が絶対に行われないとするならば、本割での同部屋対決も行われても構わないということになるのだと思います。しかし、絶対にそれは許されません。状況によっては今でも八百長が行われるおそれは十分にあるということなのだと思います。

 モンゴル会は、ある意味では部屋の力士同士よりも結びつきは強く、金銭のやりとりはなくても、自分が負け越しが決まり、相手のモンゴル力士が7勝7敗だった場合に力を入れられなくなるという状況は十分に考えられるのだと思います。

 日本で全く違う文化の中でさみしい思いがあるということもあるのかもしれませんが、例えば日本人がメジャーに挑戦しにいった場合にさみしいから他の球団の選手と頻繁に食事に行くなどということはおそらくないように思います。来年からメジャーでのプレイが期待される大谷翔平選手は、迷惑がかからないように敢えて日本人がいない球団を選んだと言っています。また、サッカーの三浦知良選手は高校1年の時に単身ブラジルに渡りましたが、そのときはブラジルのサッカー界に日本人は一人もいませんでした。今ブンデスリーガには数多くの日本人選手がいますが、ドイツで全員が集まって飲み会をするなどということもおそらくないと思います。

 日本ではさみしいから皆で慰めあうなどということは、ちょっと恥ずかしいですし、チンギスハーンの子孫たちは弱い人間が多いという評判になってしまうおそれもあると思います。

 2011年の八百長問題以降は、その温床になるおそれがあるモンゴル会の存在は問題にするべきだったのだと思います。特に2012年に発足した危機管理委員会は問題が生じた時の対処と共に予防の役割も期待されていたことから、モンゴル会については、解散、少なくともその会合は年末年始に1~2回にするといった命令をしておくべきだったのだと思います。そうしていれば、今回の事件は未然に防ぐことができたということも十分に考えられるのだと思います。

 その意味ではモンゴル会の存在を野放しにしていた危機管理員会の責任は極めて重く、少なくとも責任者の交代は避けられないのではないでしょうか。

 モンゴル会については、今回の事件を受けてそのまま存続させることはできないのだと思います。相撲協会、危機管理委員会、モンゴル力士でしっかりと話し合って、どのようにすれば一番いいのか考えていく必要があるように思います。

Jリーグのレベルの低さを露呈

 今回の韓国戦では、韓国のレベルが非常に高いということがわかりました。効果的にプレスをかけてどこからでもボールを奪い、果敢に攻めて得点していくというまさにいま日本が目指しているサッカーができていたのだと思います。違うメンバーだったとは言え日本がW杯の初戦で対戦するコロンビアにも勝利しているということで、日本もこのレベルのサッカーができればグループリーグ突破も可能であるということなのだと思います。

 正直に言ってフルメンバー同士で戦っていたとしても韓国に勝つのは難しかったのではないかと思います。戦略、フィジカル、技術どこを取っても日本が秀でている部分は少なかったのではないでしょうか。このレベルの国がすぐ隣にいたということは日本にとって幸運で、ランキングも日本よりも下ということで安価で強化試合も組むことができて、興業としても十分に成り立つのだと思います。格上の南米やヨーロッパの国との強化試合が組めない時には、韓国との強化試合を毎月のように行ってもいいのではないでしょうか。

 一方、韓国のレベルが驚くほど跳ね上がっているのに比べて日本のプレイは言語道断であって、勝利を信じ最後の最後まで全力で応援し続けたサポーターから大ブーイングが起きたのは当然の結果と言えるのだと思います。

 守っていても誰もボールを奪いに行かず、スプリントもしない、特にディフェンダーは下がったまま動かず、韓国が攻め込んできてもシュートを打たれ放題、フィジカルや技術の問題ではなく手抜きプレイ以外の何者でもなかったのだと思います。実力差があって負けるのは仕方がありませんが、労を惜しみ、走りもしないというのはサッカーをする資格が無いのだと思います。

 このことをハリルホジッチ監督の責任とする主張がありましたが全くお門違いで、単にJリーグの守備のレベルが国際標準とはかけ離れていることが改めて浮き彫りになっただけなのだと思います。海外の試合では、攻撃陣であってもボールを奪いに行くプレイをしない選手は試合に出場することすらできません。

 ハリルホジッチ監督は、「今回はデュエルの戦い」と語っていたのに対して、デュエルを仕掛けようともしなかった選手に全ての責任があるとしか言いようがありません。ここを間違ったら選手のためにもならないのだと思います。結局普段していないことを国際試合でいきなりできるほどサッカーは甘くないのだと思います。
 
 また、これはメディアやサッカー評論家の責任も重いのだと思います。一時はデュエルの概念が浸透し始め、誰が出てもある程度できていたのですが、監督批判があまりにもひどく、選手の間に監督の言うことを聞かなくていいといった空気があったのではないかという疑いをぬぐい去ることはできません。いくら監督が優れた指導をしても選手が言うことを聞かなければ、勝つことはできないのだと思います。監督の言うことを聞かずしてW杯のピッチに立てると思っている選手がいるとするなら、思い上がりも甚だしいとしか言いようがありません。

 ハリルホジッチ監督は家族が不治の病に侵され、しかも他国から日本よりもいい条件でオファーされているにもかかわらず、大批判の中で指揮を執り続けてくださっています。その監督を批判することは自由ですが、解任すべきというのは私にはまったく理解ができません。直近のW杯の実績を見ても、最終予選の初戦で敗北しながらW杯出場を決めたことからも、歴史に名を残す監督です。

 多くの人が日本代表を過大評価し、監督を過小評価しているとしか言いようがありません。正直に言って日本代表はW杯に出場できることが奇跡であって、メンバーを固定しがちな監督では、主力の多くが怪我をし、調子を落とす中でのW杯出場は全く不可能だったのだと思います。

 今のレベルは世界と戦えるレベルではありませんが、W杯に調子を合わすことが重要で、それは経験のある監督にしかできません。監督を解任すれば、いい監督が見つかると思っている人たちは笑ってしまうほど楽観的すぎるのだと思います。呆れて物も言えません。

 韓国の今のサッカーでコロンビアを破っているということは、ハリルホジッチ監督の戦略は正しいということなのだと思います。メンバーがある程度決まり、時間をかけてチームを作っていけばグループリーグ突破も夢ではないのだと思います。十分な時間もかけず、新しいメンバーで勝利が望めるほどサッカーは甘くありません。それで勝てると思っている人はサッカーを舐めきっているのだと思います。

 もう批判はやめて、サッカー界、代表を応援する日本人が一丸となって、グループリーグ突破、ベスト8以上を目指していってほしいと心から願っています。

貴ノ岩関に対する処分は人権蹂躙行為

 貴ノ岩に被害者意識がないということで貴乃花親方を非難する人がいますが、被害者意識が少ないのは当然と言えるのだと思います。

 力士は親方や上位力士にしごかれシバかれるのが仕事といってよくて、それに対していちいち被害者意識や恨みを抱くようでは一流の力士には到底なれないのだと思います。貴ノ岩はこれからさらに上位を狙える力士で、殴られたくらいで被害者意識を持つのは難しいと言えるのだと思います。しかも日馬富士に対しては白鵬よりも近くに感じ、親しくしていたこともあって、日馬富士が引退に追い込まれたことに関しては申し訳なく思うということも当然ありますし、そうでなければ人間として問題があると言えるのだと思います。

 しかし、今回の問題はそういうことで許していい問題ではありません。将来の新弟子や力士のためには白黒をはっきり付ける必要があるのだと思います。

 今回貴乃花親方が貴ノ岩の診断書の提出を拒んだことで貴ノ岩が処分されるという話がありますが、被害者を処分するなど前代未聞なのだと思います。百歩譲って処分が必要であるとしても、診断書を提出しないという判断は貴乃花親方によるもので、親方の意向を無視して貴ノ岩自身が診断書を提出できる状況にないことは誰の目にも明らかなのだと思います。処分されるとすればそれは貴乃花親方なのだと思います。

 しかし、貴乃花親方の判断も当然と言えて、前回診断書を提出した際には、頭蓋底骨折と髄液漏れの疑いが指摘されていたにもかかわらず、その後医師は問題がないと診断を翻しています。こういうことをされては診断書を提出することはできません。

 これは、画像診断の話であって実際に骨折があるのかどうかはわかりませんが、日馬富士による暴行を必死に隠そうとしても隠せないくらいふらつく状況が数日続いていて、骨折がなかったとしても脳、または平衡感覚を司る神経、耳が痛くて眠れなかったという証言から三半規管の損傷等何らかの原因が示されなければ、数日にわたってフラフラするという症状を説明することはできないのだと思います。

 相撲取りといえども脳の大きさは普通の人と変わらず、元横綱の曙が、格闘技で自分の半分以下の体重の選手に殴られたり蹴られたりすることでダウンを喫していたことは誰もが知ることころだと思います。立った状態で正対して殴られた場合には力を逃がせるのだと思いますが、横綱が馬乗りになって数十発も殴ればその力を逃がすことはできず、脳に支障をきたしてもなんら不思議はありません。格闘技ならば数発でレフェリーストップがかかるほど非常に危険な行為なのだと思います。その結果実際に数日にわたってまともに歩くこともできませんでした。医師はその原因を示す必要があって、骨折の疑いを否定する根拠と代わりの原因を示す必要があるのだと思います。

 普通は医師は少しでも症状が悪化するおそれがある場合にはドクターストップをかけるのですが、被害者が調子が悪いと言っているのに、大丈夫だから相撲を取れというのはちょっと非常識にもほどがあるように思います。

 相撲は頭と頭を強くぶつける競技で、その衝撃はトラックに衝突されるのに等しいとも言われています。脳に何らかの損傷があって隠そうと思っても隠しきれない症状が出ているのに、数日で何もせずにその症状が完治するということは普通は考えにくいのだと思います。その状況で相撲を取ればかなりリスクがあるということは、一般の人でも考えることだと思います。

 また、完治していたとしてもそのこと自体がトラウマになって相撲が取れなくなるということも十分に考えられます。そのような被害を受けながらその被害者を非難し、処分を下すという協会の判断はどういう神経なのか私には全くわかりません。これは著しい人権蹂躙行為として問題にするべきだと思います。

 頭蓋底骨折の疑いがあるとしながら問題がないとした医師は、数日に渡ってふらついていたという症状をどう説明するのでしょうか。また相撲を取ることで症状が悪化した場合の責任は取れるのでしょうか。この医師の医師としての資質を疑わざるを得ないと同時に、相撲協会から何かを頼まれたり金銭のやりとりがあったとの疑いも否定できません。

 この件について、診断した医師に対する調査も必要なのではないかと思っています。 

どちらが嘘をついているのか

 今回の事件の調査では被害者の主張と加害者の主張の食い違いがあるにもかかわらず加害者の主張が全面的に支持されています。これには異論を唱えざるを得ません。

 主張が食い違っているということは、どちらかが嘘をついているということなのだと思います。どちらが嘘をついているかは簡単に見分けられて、嘘をつかなくてはならない動機がある方が嘘をついていると判断できるのだと思います。ではどちらに嘘をつく動機があるのでしょうか。

 まず被害者である貴ノ岩ですが、暴行され部屋に戻ったあと親方に叱られるのをおそれて階段で転んだと嘘をついていました。しかし、その暴行の度合いがあまりにどく、フラフラしている様子を不審に思った貴乃花親方が問いただして今回の事件が発覚しました。そこで貴ノ岩に嘘をつく動機は全くなくなったと言えるのだと思います。貴ノ岩にとってはビール瓶で殴られようがリモコンで殴られようがどちらでもよくて、訴訟になった場合に嘘をついていると不利になるおそれもあるので、むしろを嘘を言わないほうがいいという判断があったと思います。警察での事情聴取が行われたときには、現場にいた人は一切証言はしていないため口裏を合わすことはできません。その人たちと証言が食い違うことのないように現場であったありのままを伝えたことは容易に想像できます。被害者は嘘をついてもプラスになることはないと言っていいのだと思います。

 では日馬富士に嘘をつく動機があるかと言えば、それもあるとは言い難いのだと思います。結局ビール瓶で殴ろうがリモコンで殴ろうがそれで量刑に差が出るかといえば、おそらくそのようなことはなくて、全く同じ結果になるのだと思います。

 ではビール瓶であった場合に困るのは誰なのでしょうか。それは相撲協会と危機管理委員会なのだと思います。

 2006年の時津風部屋力士暴行死事件では親方が新弟子をビール瓶で殴り、その後集団暴行によって新弟子の少年が亡くなられました。このような痛ましい事件を二度と起こしてはならない相撲協会とその防止のために設置された危機管理委員会にとって、上位力士が下位力士をビール瓶で殴るという不祥事が起きたということになれば極めて都合が悪く、責任が問われることは間違いないのだと思います。

 相撲界では上下関係が厳しく、相撲協会の人間が現場にいた力士にビール瓶は使っていなかったと証言しろと言えばそれに逆らうことはできないのだと思います。口裏を合わせる時間も十分にありました。

 白鵬が「シャンパンの瓶を持ったが滑って落とした」と証言したのは、貴ノ岩に対して、『お前が見たのはビール瓶じゃなくてシャンパンの瓶だ。殴られた瞬間は見ていないだろ。』というメッセージでもあったように思います。

 この問題は司法の場で決着がついてからでなくては真相が明らかになることはないのだと思います。この問題を終わらせるのは検察の判断ではなく司法の判断が終わってからで、貴乃花親方が納得がいかなければ控訴、上告もあるのではないかと思います。

 私の意見は一歩踏み込んだ憶測に過ぎませんが、専門家も、協会や危機管理委員会の対応はとんでもないと指摘しています。
(http://diamond.jp/articles/-/152597)

 相撲協会は12月20日にこの問題を終わらせようとしていますが、いろいろな意味でこの問題に早期に終止符を打たせてはならないのだと思います。この事件は早く終わらせることが重要なのではなく、将来にわたって二度とこのような事件を起こさせないことが重要なのだと思います。被害者である貴ノ岩だけではなく、引退を余儀なくされた日馬富士のためにも、将来の力士を守るものにしていただきたいと思っています。

日馬富士による傷害事件は現在進行形の事件

 日馬富士による傷害事件に関する協会の主張やメディアの報道では、正しく対処している協会が善で、貴乃花親方が悪のように報じられ、殴られた貴ノ岩の方が悪いのではないかといった主張がなされがちのように思います。

 貴乃花親方は「誰が加害者で、誰が被害者か、正当な裁きをしていただかなければいけません」と当初から語っていましたが、協会とメディアによって現在のような状況になることを当初から予想していたのだと思います。

 日馬富士を守ろうとするならば、ビール瓶では殴っていない、貴ノ岩が悪かったというストーリーが現場にいた人間によって作られることを貴乃花親方は予想していたため、協会には報告せず警察に被害届けを出したのだと思います。

 貴ノ岩は若くして両親を亡くしており、貴乃花親方は親代わりというよりも実の息子のように貴ノ岩を可愛がり、厳しく育て、これから更なる飛躍のときを楽しみにしていたのだと思います。そんな時に上位力士による常軌を逸した暴行に遭い、実の息子のように育ててきた力士が引退の危機にまで晒されています。この非道な行為に対して怒りを感じなければ、むしろ人間として非難されてしまうのだと思います。

 また、部屋の収入は関取の人数に応じて大きく変わるため、貴ノ岩が初場所を全休すれば幕下に降格となり、貴乃花親方自身も収入が激減するという実際的な被害を被る被害者でもあるのだと思います。これから三役、大関を目指そうという力士を失うことだけでも相当な怒りになるのは当然のことなのだと思います。

 一方協会は被害者の主張ではなく、加害者と加害者を守ろうとする者たちの主張だけが正しいとしていて、事件を小さく見せようとする意図がありありと見えます。もしも貴乃花親方が協会に報告し、警察に届け出なければ、日馬富士はお咎めなしで、行儀の悪い貴ノ岩が悪く、その後引退に追い込まれても全く問題にならなかったおそれは否定できません。こんなことが許されては絶対にならないのだと思います。

 今回の傷害事件は、貴乃花親方に厳しく育てられた貴ノ岩だったから死に至ることはありませんでしたが、もしも新弟子だったならば傷害致死事件になっていたおそれは否定できないのだと思います。最悪の結果は免れましたが、今回の事件で再び大関、横綱を目指していくことはかなり難しくなり、引退ということも十分に考えられるのだと思います。若者の夢が日馬富士による犯罪行為によって奪われるかもしれないという事実を、協会もメディアももっと重く受け止めるべきなのだと思います。

 このような凶悪犯罪に早々に決着をつけて些細な問題にしようとする協会と、このような事件を二度と起こさないために司法機関という第三者に真相を明らかにしてもらおうとする貴乃花親方では、どちらが角界の未来にとって正しいのかは考えるまでもなく明白なのだと思います。そして、夢を奪われるかもしれない若者を悪者とし、加害者を守ろうとする協会が正しいとする風潮は私には全く理解できません。

 この問題は終わった事件ではなく、貴ノ岩が稽古を始められないということで現在進行形の事件なのだと思います。貴ノ岩の相撲人生、将来を考えれば、貴乃花親方が自らの権力闘争のために稽古をさせないなどということはありえないのだと思います。そういうことが許せない人間だからこそ、今回のような事態に陥っているのだと思います。

 まず司法がどんな判断を下すのか、貴ノ岩の今後がどうなるのか、モンゴル力士の無気力相撲とモンゴル会の関係も含めて、今後同様の事件を二度と起こさないためにじっくりと時間をかけて取り組むべき問題なのだと思います。再び人の命に関わるおそれのある事件、若者の将来が奪われるかもしれない事件よりも興業を優先するなどということはあってはならないのだと思います。そして、この問題に対する対応が適切だったとすることはできないので、八角理事長も責任を取って辞任するべきなのだと思います。

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