2017/12/30
日本相撲協会のガバナンスに問題があることが明らかに
貴乃花親方に対して理事からの降格というかなり厳しい処分が下されることに多くの批判が集まっています。その場にいて暴力行為を容認し、親方にも報告せず隠蔽しようとした白鵬よりも、被害者の親方で、第三者の目で事件を解明しようとした貴乃花親方に対してはるかに厳しい処分を課すということに関して、批判的な人の方が多いのは当然と言えるのではないでしょうか。
協会は、二度と暴力事件を起こさないよう努めるべきなのに事件を明らかにしようとする者に厳罰を課して、事件をうやむやにしようした者に甘いということで、ガバナンスに問題があることが明らかになったのだと思います。事件の真相を明らかにし、どうしてこのような問題が起きたのかその原因を探り再発防止に努めようとする意思を全く感じることができません。
協会としては保身に走るのは仕方がないとも言えるのだと思いますが、むしろそのような保身を諌め、被害者の側に立ち、原因究明、再発防止を促すべき立場にある横綱審議委員会、評議委員会、危機管理委員長が、被害者ではなく100%協会側に立ってむしろ貴乃花親方に厳罰を課すように煽っている姿は、異様な光景にしか見えません。
むしろ協会もそれらの組織の顔を立てるために貴乃花親方に対する厳しい処分を課さざるを得なかったようにも思えます。
この問題は単なる暴力問題であるというだけではなく、「モンゴル会」の存在を無視するわけにはいかないのだと思います。結成当初は本当に暖かい組織だったのに今は怖い組織になったという話もあり、暴行現場での証言を聞いても和やかな組織とは言い難いように思います。上位力士に逆らえない雰囲気は無気力相撲の温床になることは否定できないのではないでしょうか。
「モンゴル会」を解散すべきとまでは言いませんが、頻繁に、特に場所前に会合を開くのは、李下に冠を正さずという意味でも控えたほうがいいように思います。年に1~2回会合を開き、貴乃花親方が主張しているように普段は出稽古に行って同じ土俵で稽古をし、それぞれの親方とともにちゃんこを一緒に食べるということでいいのではないかと思います。
横審からも評議委員会からも危機管理委員会からも「モンゴル会」に言及がないのも全く解せません。日本相撲協会を外部から監視する機能を全く果たせていないのではないかと思います。
これらの組織が機能しないのであれば所管する文科省やスポーツ庁が何らかのアクションを取る必要があるように思うのですがどうでしょうか。