2019/09/05
今日の試合は、急速に実力をつけてきた日本代表のレベルが、更に一つ上がったのではないかと感じました。また、森保監督が日本代表の力を100%出してくださっていることも改めて感じることができました。
日本代表は世界の国々に対して相性があって、アフリカの国に対しては相手が格上であっても互角以上に戦えて、ヨーロッパ の国に対しては強豪であっても互角に戦えて、中南米の国に対しては格下の国であってもなかなか勝てないという時期が長く続いていたのだと思います。
しかし、今では選手の技術が急速に向上して、さらに効果的な戦術を身に付けることができて、中南米の国であっても十分に戦えるようになったと言っていいのだと思います。
このような状況を見ても、世界にあって日本は苦手とする国がなくなったのではないかと思っていたのですが、私は最も身近な国々を完全に見落としていたことに今年になって気付きました。それはアジアの国々です。
今年のアジア杯を見ていても、日本がこれほど実力をつけているのに相手がどんなに格下であっても、余裕のある試合はほとんどなく、決勝も、はるかに格下のカタールに、逆に格上の国と戦っているような試合展開で惨敗する結果となりました。
いま日本は世界の強豪と互角に戦えるようになりましたが、それには実力の向上以外に二つの要素があると私は考えています。
まずひとつは、日本代表は世界の強豪と比べると、やはり線が細いということは言えるのだと思います。相手国にとって、体の小さな相手に強く当たれば、カードをもらう確率がかなりあって、下手をすると一発退場もあることから強く当たれないということは確実にあるのだと思います。
もうひとつは、格下の相手に対しては、互角、あるいは強豪国に対するような殺気にも似た気迫を出して戦うということはやはり難しいのだと思います。強豪国は日本を相手にするときには、おそらく本来の80%くらいの力しか出せていないのではないでしょうか。
実はこのことは、日本がアジアの格下の国と戦うときにも全く同じことが言えるのではないかと私は考えています。
日本代表の選手はアジアにあってはかなり体も大きくなっていて、強豪国に対するときのように強く当たることは難しいのではないかと思います。そして、相手が格下であるということから、強豪国に対するような気迫を出して、100%以上の力で戦うことができないのではないかと思います。
逆にアジアの国々は日本に対して気迫を前面に出して、100%以上の力で立ち向かってくる国が非常に多いような印象があります。
日本がどんなに強くなっても、W杯予選は決して油断することはできません。ではどのように戦えば確実に勝利することができるのでしょうか。
それは、相手が格下であるということは忘れて、強豪国を相手にするときのような気迫で全力を出し切ることが最低限の条件になるのだと覆います。
戦術に関しては、私のようなものが意見するのはおこがましくて、森保監督に任せておけば間違いないと思うのですが、大切なことは格上の国に対するような殺気にも似た気迫をどの国に対しても常に出せるようにすることで、その上で、矛盾するようなことですが、緊張感だけでは最大のパフォーマンスを望むことはできないので、緊張感のβ波とリラックスのα波を同じように出すことが必要になってくるのだと思います。そうすることで集中力が最も高まるので、特に攻撃陣は、今日のように笑顔とサッカーを楽しむ気落ちは忘れてはならないのだと思います。
W杯への道は常に困難に満ちたものになることは間違いありません。それでも確実に予選を突破できるよう、全力を尽くす日本代表を心から応援したいと思っています。