2020/04/15
日本は大きな災害に見舞われた時に必ず信じられないような過ちを犯します。それは考えるまでもなく自明の理なのだと思います。
日本の官僚は、日本の国益よりも国民の事よりも省益を優先するということは誰もが知っていることで、おそらく官僚自身に尋ねてもそれを否定する人はいないのではないかと思います。日本の政治家、特に大臣は官僚におんぶに抱っこで、官僚の言うがままの法案を成立させ、政策が実施されます。これは緊急時にも全く変わることがなくて、国益や国民の生活よりも省益の方を優先させるというスタンスは全く変わらず、ときには緊急事態に乗じて火事場泥棒のような政策を実施し、諸外国と比べてもクエッションマークがいくつも付くような対応が平気で行われます。
リーマンショックの時も、日本はサブプライムローンの影響が極めて少ないと言われながら、FRBやECBが常識を超えた量的緩和を実施していても日銀は全く緩和をしなかったため、他の国が順調に成長し続けたのに対し、日本は大きなマイナス成長となりました。
東日本大震災のときも、世界ではSPEEDIを活用し、放射性物質が大量に落下する場所を正確に予測していたにもかかわらず、日本はまったくSPEEDIを活用せずに放射性物質が最も降り注ぐ場所に避難民を集めるという世界から見たら狂気とも言える行動をとりました。そして、そのことを全く反省することなく、現在SPEEDIは今後使用しないという判断を下しています。
また、震災で景気が大きく後退しているにもかかわらず10兆円の大増税を断行し、復興にはほとんど使われずに一瞬で消えてしまったという愚行も犯しています。これらは、当時の政権を担当していた民主党の責任も大きいのですが、官僚たちが立案、実施したことには変わらないのだと思います。
そして今回の新型コロナウイルスの対応でも信じられない対応が取られ、遅かれ早かれ今回のようなオーバシュートの状況に至ることは私は初めから予想していました。
まず、プリンセスダイヤモンド号の対応からしてかなりおかしくて、感染阻止のためのゾーニングという基本が全く出来ていなくて、厚労官僚や検疫官すら感染を許すという大失態を犯していました。このことから、日本の感染症の専門家と呼ばれる人達を私は最初から信じることができませんでした。また、症状のない人間から感染するのではないかということは最初から言われていたにもかかわらず、感染者の濃厚接触者ですら検査をしいないという暴挙には耳を疑いました。そのことが最後まで感染を拡大させた要因になったことは間違いないのだと思います。濃厚接触者であっても検査をしないという方針は、日本国内でも維持され、感染経路不明の感染者の増大の大きな原因になっているのだと思います。
そして、最も問題と思ったのは、感染が拡大している国からの入国者に対して、検査を全くせずに自主的な外出自粛を求めたことでした。ニュース等の取材で、ただ要請されただけで監視も全くつかないことから自由に行動できるとインタビューに答えていた人も多く、今回の東京の感染者急増の最も大きな原因になっているのだと思います。空港でこのような対応が取られていた時には、都知事もオリンピックのことばかりに気を取られていて、今のような状況になるべくしてなったと言わざるを得ないのだと思います。
そして今回このような危機的状況を作り、検査をしないという方針を決めた専門家と呼ばれる人達の責任も極めて大きいのだと思います。彼らは国と大きな利害関係にあって、PCR検査を自前で行い、検査の開発に予算を付けてもらっていたことから、できる限り検査を縮小していたというとは当初から言われていました。
またテレビに出演していた専門家は新型コロナは全く恐ろしいウイルスではなく若い世代は死ぬことはないし重症化もしない、必要以上に恐れることはないということを言い続け、都知事が不要不急の外出を自粛してほしいと要請しても、飲食店、特にクラスターになっていることが分かっているバーや接待を伴う飲食店に通い続ける人々は後を立たず、繁華街に訪れる若者も数多く見られました。
このウイルスは恐れる必要がない、検査を多くする必要がないと言い続けた専門家の責任は極めて大きいのだと思います。
コロナウイルスの脅威は相当長い期間続くことが予測されていて、日本が目指すべきなのは、軽症患者を収容する大量の施設を用意して、大量に検査をし、一定程度に感染を抑えながら通常の経済活動を続けていく韓国モデルしかないのだと思います。
一刻も早くそのような体制が作られることを切に願っています。