2020/05/30
欧米人の致死率が高い理由
日本人が新型コロナウイルスに感染しにくく、致死率が欧米に比べて極めて低いということですが、私はむしろ欧米人が特別に感染しやすく、重篤化しやすい人々なのだと考えています。確かに日本人は清潔好きでマスクに抵抗のない人が多くて、マスクはそれ自体感染を防ぐ効果は期待できませんが感染させない効果は期待できるので、その空間の全員がマスクを装着すれば感染させる確率が劇的に下がって、マスクが感染を防ぐ効果を発揮し始めます。
また、清潔好きということで言えば、私は全く潔癖性ではありませんが、トイレに行ったあとは必ず手を洗いますし、石鹸があれば必ず石鹸で洗います。それが接触感染のリスクの低減につながるのは間違いないのだと思います。
そして、メガネの装着率もかなり高くて、目からの感染も他国に比べると少ないのかもしれません。
それとあまり触れられませんが、欧米の家屋が石やコンクリートが多いのに対して日本の家屋が木造が多いことも功を奏しているのかもしれません。木造家屋は通気性がよく、ウイルスが外に出やすいことで家族への感染リスクを低減させ、感染者が咳や呼気によって体外に排出したウイルスの再度の体内への侵入を防いでいることが考えられます。新築の家屋では24時間換気の機能を備えたものも珍しくありません。木造や通気の良い家屋が多いというのは日本のみならずアジア全体の特徴とも言えるのではないでしょうか。
もう一つ、日本人はアレルギーを持つ人が非常に多くて、症状がなくても調べるとアレルギー持ちという人がかなりの割合でいるのではないかと思います。アレルギーは外部から侵入する物質の有害無害にかかわらず、攻撃、防御態勢に入りやすいため、自然免疫が働きやすいということは言えるのかもしれません。
しかし、日本人と欧米人の最も大きな違いは、パーソナルスペースにあるのではないかと思います。フィジカルディスタンシングまでなくても、日本人はもともとパーソナルスペースが非常に広く、特に他人との接触を嫌う人々と言えるのだと思います。仲の良い友人であっても、親兄弟であっても、何年も身体的接触がないということも希ではなく、特に、接待を伴う業種や医療、介護、マッサージ、エステ、格闘技以外で、一般的なビジネスシーンで相手に接触するシーンを想像することすら難しいのだと思います。
それに対して、欧米人は、濃厚接触というよりもハグや握手など濃密接触が日常茶飯事で、どうもその習慣が抜けきれていないのではないかという疑いがあります。当然感染リスクは高まりますし、問題なのは感染時のウイルスの曝露量が日本人と比べると圧倒的に多いのではないかということなのだと思います。
ウイルスの曝露量が少なければ自然免疫で対応できて、発症にまで至らなかったり、発症しても軽く済むということも期待できるのではないかと思います。また、ある程度自然免疫で戦うことができれば、発症までの日数、重症化するまでの日数、重篤化するまでの日数を確保することができて、その間に抗体も作られて、人工呼吸器等の助けがあれば、自らの免疫でウイルスを退治できる確率が上がるのではないかと思います。
逆に欧米人のように濃密接触によって感染時の曝露量が多ければ、自然免疫はほとんど役に立たずに一瞬で発症、重症、重篤化に至り、抗体ができる前に死に至るということが考えられるのではないかと思います。
おそらく、日本人と欧米人では、発症、重症化、重篤化までの平均日数がかなり違うのではないかと思います。時間が稼げるかどうかが生死を分けるということが言えるのではないでしょうか。
日本人は物理的に感染しにくく、重篤化しにくく死に至りにくいということが言えるのかもしれませんが、油断は全くできないのだと思います。経済との両立も、慎重に慎重を重ねて、常に緊張感を持って行動すべきでなのだと思います。このウイルスは、若くても軽症であっても熱が乱高下し、歩くこともままならないほど苦しい状況に至ると聞いています。重症化し、人工呼吸器を装着すれば、気管を切開し、肺を傷つけ、呼吸機能が元に戻ることはないとも聞いています。そこまで行かなかった人でも後遺症に苦しんでいる人は大勢います。国民全員が感染、発症することなく、協力してこの危機的状況を乗り越えられるように努めていくべきなのだと思います。