2021/04/29
日本の医療はコロナ以前から逼迫していた
日本の感染者数は欧米に比べてかなり少ないにもかかわらず、すぐに医療が逼迫することに関して政府や私立病院を批判する人がいますが、日本の医療はコロナ以前から逼迫していたと言っていいのだと思います。特に東京では救急患者のたらい回しは日常茶飯事で、小泉政権における医師の削減策、看護師の慢性的な不足、勤務医と開業医の格差といった問題がコロナ以前から取り沙汰されていました。
コロナの治療法は確立しておらず、重症になった場合には十分な酸素を確保するための人工呼吸器やECMOの装着が必要で、マンパワー、特にECMOの場合には一人に対して15人の医療従事者が必要と聞いています。もともと医師も看護師も足りない状況で、このようなマンパワーが必要な病気が蔓延すれば、あっという間に医療が逼迫するのは火を見るよりも明らかなのだと思います。医療制度や法律を変えたところで、医師や看護師がどこからか湧いてくるようなことはないのだと思います。
また、医療制度が充実していればどんどん経済を動かして欧米のように患者が増えてもいいようなことを主張する人がいますが、患者が増えれば当然重症者も増え、治療薬がない以上死に至る人も増えていきます。患者を増やしていいなどということはありえないのだと思います。
医療体制の充実というないものねだりよりも、私たち一人一人が感染しないよう自粛すること以外に命を救う方法は今のところありません。様々な自由や権利は守られるべきだと思いますが、命よりも大切な人権はないはずです。せめて高齢者のワクチン接種が完了し、重症患者が十分に減少するまで、多くの人が自粛できるよう心から願っています。